【京都金杯回顧】岩田康誠騎手のイン狙いが光る 重賞初Vコレペティトールに飛躍の予感
馬場も流れも合わなかったトゥードジボン
2着のセッションは昇級2戦目、昨年のNHKマイルC以来の重賞で好走した。アーリントンC2着の実績があるだけに、納得の2着でもある。早々に先頭に立った誤算はあったかもしれないが、よく粘った。ロベルトの血を感じるシルバーステート産駒であり、力のいる馬場と失速するラップも味方した。アーリントンCは阪神の重馬場で1分33秒9。今回は京都の良馬場を同タイムで走った。もっとも力を発揮できるゾーンはこのあたりだろう。 3着には1番人気のトゥードジボン。セッションを見ながら上手にレースを運んだが、最後までセッションをとらえられなかったのは物足りなさも感じる。これにはセッションとの適性の差もあった。京都で上がり33秒台を繰り出して逃げ切ってきた馬だけに、今回のような失速ラップは得意とはいえない。イスラボニータ産駒は、その父フジキセキ譲りの軽いレースに強い。最後はやや苦しそうだった。舞台が変われば、当然パフォーマンスを上げてくるだろう。 全体的に掘れる馬場だったことを考えると、外を回ってはロスが大きすぎた。4着のアヴェラーレと5着のフリームファクシは見直す余地がある。シルクレーシングの6歳牝馬だけにアヴェラーレの次走はどうなるか分からないが、4歳馬のフリームファクシはマイルへのシフトチェンジがハマりそうな予感がする。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳