水道水質を全国1564地点で一斉調査、関東地方でミネラル分高め 東大
全国的にも飲料水基準を超える成分はNaやPb、亜鉛(Zn)などを17地点で観測したが、蛇口が古いなど配管周りに原因があると疑われる事例だった。微量金属成分の濃度変動の要因は供給配管や蛇口設備など地域インフラに依存していることが示唆された。
日本では99%の蛇口の水道水が国内基準値内で品質が良好であり、世界33カ国・194地点で実施した同様の調査と比較しても安全性が高いことが裏付けられた。そのうえで堀特任助教は「故郷の水が好まれるなど、各人がおいしいと思う水が多様であるのは、国内の水のバリエーションの広さも関わっているだろう」と話している。
一方、国内では多くの水道管の老朽化が進み、水質を維持するための評価や公衆衛生の確保が必要とされている。今回の水道水質の調査・評価は各地域の特性に応じた水道水の管理と改善策を策定する基盤の情報にもなるという。堀特任助教は、「環境分野のみならず、様々な分野で基礎データとして活用して欲しい」として集めたデータをマップ上に示して公開している。
研究成果は、英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」電子版に6月19日掲載された。