【インド】JQA、日本市場への参入支援でセミナー
日本産業規格(JIS)などの認証を手がける日本品質保証機構(JQA、東京都千代田区)は12日、日本市場への参入サポートや日本式の品質管理をテーマに、インドで初となるセミナーを開催した。今後、インドが外需取り込みを加速させれば、日本式の品質管理の重要性も増すことが期待される。 日本人にはなじみ深いJISマーク。日本は取得を法制化していないが、日本に製品を輸出する際に、日本のメーカーが納入要件として求めることが多い。JIS認証は、高い品質保証のお墨付きとなる一方で、認証には国際的にも難度の高い要件が求められる。 JQAによると、これまでに同機構がJISを認証したインド企業は、TOTOインディアやステンレス鋼大手ジンダル・ステンレス(JSL)などを含めた4社。ただ、JISは製品ごとに認証するため、品目別では5品となる。 JQAの企画部国際課の大塚玲朗課長は、NNAの取材に対し、「インドから日本への輸出は依然として少ない。ただし、インドが貿易赤字の解消に取り組むにつれ、日本への輸出も今後増えてくると考える」と述べた。セミナー開催については、現地でのヒアリング活動を通じて、「日本の規制や認証制度を説明してほしいという声が聞かれたため」と説明した。 ■25年目標は10社で認証 インド企業がJQAからJIS認証を受けるには、JQAと提携する地場の協力会社が技術支援やコンサルティングを行い、取得を目指すことになる。日本国外の工場では、取得に1~1年半ほどを要するという。JQAとしては、2025年にインドの地場10社による認証取得を目指したい考え。 セミナーの参加者からは、「自動車業界を中心に、日本は高い製品品質の基準を持つと考えている。日本への輸出ができれば、他国への輸出も可能になるだろう」との声があった。 JQAは1957年の設立。日本国外では、タイとベトナムにそれぞれ現地法人を持つほか、ドイツにも欧州駐在員事務所を構える。インド拠点の設置については、市場調査などの結果を基に、計測機器の校正といった他のサービス提供も含めて検討する方針という。