新素材の開発から異色なコラボまで、斬新な腕時計7選<ウブロ>
トレンドに振り回されず、確固たる信念と哲学をもち、独自の道を極めることで生まれる腕時計のデザインもある。そんな唯一無二の世界観をもつブランドを紹介しよう。 【写真】素材開発から異業種との融合まで、常に革新を続けるウブロのデザイン
素材開発から異業種との融合まで、常に革新を続ける時代の牽引者
ウブロのデザインは強烈だ。腕時計である以前にウブロであるという主張は、誰が見ても明らかだろう。冒険を恐れず、常識を何度も乗り越え、書き換えてきた。 デザインの前提にあるのは、素材づかいの魔術師的な腕前だ。チタン、セラミック、カーボンファイバー、テキサリウム、サファイアクリスタル。さらにはレアメタルも視野に入れ、キングゴールドなどの新合金も生み出した。 そもそも1980年創業のウブロが頭角を現した理由は、素材を組み合わせるスタイルの冴えだ。初期のヒット作は「ラバーストラップのゴールド製腕時計」。そして2005年、ウブロは未知の素材を駆使する「ビッグ・バン」を登場させる。ソリッドなフォルムにレアメタルを含む新素材を惜しげもなく持ち込む作風は、腕時計デザインのパラダイムを根底から引っくり返し、目の肥えた人々に〝初めて〟の衝撃を与えた。「ビッグ・バン」のバリエーションは現在に至るベストセラーとなる。 ウブロを語る上で色づかいのユニークさも見逃せない。セラミックやサファイアといった発色のコントロールが難しい素材を手なずけ自在に操る。独創的な素材を手に奔放な造形で、多彩なカラーバリエーションを展開する。ウブロの開発は優れた製品にとどまらず、いわば腕時計の〝未来〟をつくっているのである。
Keyword1:新素材の開発&多色化
セラミックとサファイアは、近年の時計業界で最も注目度が高いケースマテリアルだ。魅力的ではあるが、しかし焼成を経るセラミックは成形が難しく、鋼よりもはるかに硬度に優れたサファイアはダイヤモンドでしか研磨もできない。ウブロはその困難を乗り越えて「ビッグ・バン」の複雑な造形に活かしただけでなく、かつては不可能と思われていたビビッドなカラーを与えることに次々と成功していった。