「小日本」「毒薬」の音声動画 仙台市、弁当工場を検査 中国人従業員投稿も後に編集か
仙台市内の弁当工場の作業風景を中国語で紹介する中で「小日本」「毒薬を」と聞き取れる不穏当な音声が盛り込まれた動画が拡散している問題で、仙台市が20日までに立ち入り検査を行ったことが分かった。工場側は中国籍の従業員が撮影した動画と認めた一方、当初投稿された時点で不穏当な音声はなかったという。SNSに投稿された後に何者かが編集したとみられる。 「衛生上不適切と思われる行為や安全性が心配されるようなコメントも見られる。動画をみて観光客を含めて不安になる人もいると考えている」 19日の市経済環境委員会で、市の担当者はこう説明した。保健所が弁当工場に立ち入り検査を行い、責任者に動画の投稿内容や日常の衛生管理の状況について聞き取り、詳細な報告を求めたという。 伊藤優太市議の質問に答えた。伊藤氏は「市の食品衛生の信頼性や食文化のイメージにネガティブな影響が及ばないように適切に対応すべきだ」と指摘した。 X(旧ツイッター)で拡散されている動画は中国人とみられる従業員の作業風景を紹介する内容で「小日本に毒を盛らないの」などと中国語で茶化すような男性の声が挿入されている。 市の生活衛生課によれば、工場の責任者に聞き取り調査を行ったところ、中国籍の従業員が元の動画を中国系動画投稿アプリ「Tik Tok(ティックトック)」に投稿したと認めた。編集した人物について、工場側は「誰なのか分からない」と説明しているという。 ティックトックでは、この投稿は削除されている。工場側はXで拡散されている編集された後の動画についても削除要請を行っているという。 市の担当者は「今後も適正な改善が必要なところがあれば、従業員の守るべきルールの設定など日々運用していく仕組みを作ってもらうよう助言・指導していく」と語った。 弁当工場の出荷先で食中毒などの健康被害は確認されていない。