ミュージカル『プリティ・ウーマン』観劇直後のLiLiCoが熱弁!「観た人の方が圧倒的に幸せになれます!」
ヴィヴィアンの親友キットや支配人、ベルボーイなど脇のキャラが最高!
――それと、日本でやるならLiLiCoさんだな、と勝手に思ったのがヴィヴィアンの親友キットなんですが。 LiLiCo (笑)。映画では本当にオイシイとこで笑いをとる役よね。ミュージカルだとみんなが引き立たないと笑いが取れないから、どうやるんだろうと思っていたけど、ジェシカ(・クローチ)さんのキットはすごかった。歌唱力……演歌的な歌唱シーンがあるんだけど、ホントすごかった。それに、アカペラで始まって、途中から楽器が入ってくるような歌曲でもサラッと。これ、すごく難しいはずなんですけど、うまいだけじゃなくて笑いまでとっちゃう。最高でしたよね。 ――演出面で映画と違うところ、また映画で気に入っていたところがこう変わってたっていう箇所は? LiLiCo 映画で好きだったのは、ヴィヴィアンを助けてくれる人たち。だから支配人はやっぱり最高。ミュージカル版ではベルボーイもすごく目立って面白い演出してましたよね。彼、たぶんバレエを習ってたんじゃないかな……ってきれいな動きしてたんですよ。 あとね、注目していたのはヴィヴィアンの買い物のシーン! ロデオドライブのブティックに娼婦の衣装で入ったら入店拒否されて、そのあとエドワードと豪快に買い物をして、着替えてから「でかい魚逃したわよ!」的に嫌味を言いに戻るところが最高に気持ちよくて。これ、映画とは違う展開なんだけど、非常にシンプルにして効果的で、さらには映画のシーンまで思い出させてくれたんですよね。 あと効果的だったのは、お風呂のシーン。1回濡れちゃったらもうどうしようもないからね(笑)。上手な工夫でした。 ――このキャスト、ミュージカルだからあらためて感じたこと、ありました? LiLiCo ヴィヴィアンとキットの心根の優しさみたいなところは、こっちのバージョンの方が際立ってるかも。感情を代弁する歌の力が大きいんだと思うんだけど、生きるために娼婦になったふたりが、生活さえ安定すれば別の道に進んでいくという心のうちが表現されていたから。 ――ミュージカル版の脚本がうまく再構成されてたんですかね。 LiLiCo 本当にそうですよね。素晴らしい映画をミュージカルにしたくなるのがすごくよく分かる。気を付けないと、とんでもない駄作になることだってあるけど、これは大成功。すごく分かりやすい映画だったからこそ難しかったと思います。 1幕で結構いいところまで進んじゃったから「この後何があったっけ」って思ったくらいにのめりこんじゃったもの。この世界観、夢のような6日間を、たった2幕のステージで味わわせてくれました。人はいつでも変われる、夢は見続けていいんだよっていう一番大事なメッセージがきっちり伝わる脚本だったと思います。 ――セットはいかがでした? LiLiCo 大掛かりなセットではなかったけれども、一瞬にしてビバリー・ウィルシャーの部屋がハリウッドブルバードの一角になったり、ロデオドライブになったり、よく考えられてると思いました。全世界で公演できるように、大きく重すぎない素晴らしいセットを作ったんでしょうね。 私もミュージカルの舞台をやって分かったんだけど、大掛かりなセットで世界興行だと、全世界同じセットを使い回すから、前の公演地でバラすのを待たないといけないんですよね。 ――字幕の位置もよかったですよね。邪魔にならず、芝居もちゃんと見える。 LiLiCo ブロードウェイ版の日本公演では必須ですよね。今回の字幕、必要なところだけを訳してくれてたのはうまいと思いました。 ――あの、『プリティ・ウーマン』ならではの例の曲が出るタイミングとかもうまかったですね。 LiLiCo そうそう。1回、あのメロディがちょっと出るじゃない。期待しちゃったけど、その後の本編を観てたらすっかり忘れちゃってた(笑)。あの曲を忘れさせてくれるぐらいの濃い内容だったんですよね。