宮下青森県知事 政治とカネ「むしろ悪化」 衆院選巡り自民に苦言
宮下宗一郎知事は1日の定例記者会見で、衆院選の争点だった「政治とカネ」を巡り「問題はまだ解決していない。むしろ悪化した」と述べた。自民党派閥裏金事件に関与し非公認となった候補の党支部に党本部が2千万円を支給していたことを引き合いにした発言で、「国民からは絶対に理解されない」と苦言を呈した。 宮下知事は「ルールを守る」を第一に掲げた自民党公約について「本当は『国民を守る』とか『日本を守る』とかが先に来ないといけない。『ルールを守る』なんて保育園のお約束だ」と批判。知事は衆院選最大の争点に「政治の浄化」を挙げていたが、「2千万円支給がとどめを刺した。より深刻になった」との見方を語った。 青森県3区で自民候補が落選し、1、2区でも野党系候補の得票を合算すると自民候補を上回る選挙結果となったことに「県内でも自民党に逆風が吹いた。保守的な地盤だったが、少し風向きが変わってきた」と言及。「昔は会社や家族の方針を基に政治選択をすることがあったと思うが、今はみんながスマホを持ってそれぞれの世界観で生活している。一人一人に響く政策や振る舞いが大切で、その流れはこれから加速していくと思う」と話し、政治を取り巻く状況が変わりつつあると指摘した。 衆院選で躍進した国民民主党が公約に掲げた所得税やガソリン税の軽減について「今の経済状況では減税は必要不可欠な政策」と理解を示し、消費税率の引き下げを含め「税と社会保障を一体として整理した上で減税するなら、国民も歓迎するだろう」と述べた。