「メルマガなんて時代遅れ」は本当か? (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■顧客リストの重要性について知っておこう
成功する士業と成功できない士業の違いを挙げよ、といわれるとそこにはさまざまな要因があるのですが、そのひとつに顧客リストの重要性について知っているかどうか、というものがあります。言い換えると、成功している士業はこの顧客リストの重要性についてしっかり理解しているということです。 顧客リストがあることによって、メルマガを出すことができます(あるいはニュースレターという場合もあります)。こうすることによって、「今すぐにお客様にならない人」をつないでおくことができるのです。このように顧客リストを集め、いつでも情報発信できる状態にしておくのが成功の分かれ目になります。 ここで、さらにわかりやすくするために、事例を挙げましょう。 たとえばアナログ営業で成功するパターンは、名刺交換した人、これまでのお客様の顧客リストを管理し、1ヶ月に一度ニュースレターを出します。これが「つながり」です。今顧問税理士がいる会社も顧問契約はすぐに解消できないけれど、来期からは税理士を変えたいと思っている場合もあります。それまでの「つながり」をこの顧客リストでつくります。 単発系の士業でも同じです。今は必要ない司法書士への登記依頼や行政書士への許認可依頼なども、いつかは依頼する可能性があります。それまで「つながり」を持たせることができるのが、顧客リストなのです。
■名簿の整理から、毎年何名のリストが増やせるかが成否の鍵
いったん顧客リストが集まり、メルマガを配信できるようになればあなたのことを忘れずにいてもらえますし、セミナーの集客をすることもできるようになります。 セミナーは今後の士業にとって極めて重要な営業手法ですが、ブログやソーシャルメディアなど「誰かが興味を持たない限りは見てくれない」媒体では集客するのは難しいといえます。正直、私もブログだけで何十名も集客するのは不可能です。私自身、100人を超えるセミナーの企画もしますが、メルマガがなければ定員の半分も集められないでしょう。そのくらいメルマガは重要なツールなのです。 この重要性に気づいたら、これまで名刺交換した人たちの名簿やこれまでのお客様の名簿をしっかり整理して、メールマガジンを送れる体制を作り出してください。そして、アナログにインターネットに顧客リストを集める仕組みを作り出すことです。 1年後、あなたが必死になって新しく500名以上の顧客リストが取れた場合、おそらく10から20名程度のセミナー集客は簡単でしょう。さらにこれが1,000名、2,000名となれば、30名、40名を超える規模のセミナーも十分集客できるようになります。 仮に、もしあなたがこういった顧客リストの整理・収集をしなければ、来年になっても再来年になっても、「お客様をどうつかまえるか」「どのようにして売上を伸ばすか」と悩むでしょう。 今からでも遅くはありません。顧客リストの収集とメルマガの配信をぜひ始めてみてください。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。