【ラグビー・2024年度関東下部リーグ後半戦リポート②】新潟食農大がリーグ戦3部を連覇。2部昇格に挑む。
<3部は新潟食料農業大が2年連続制覇。2部入りをかける> 関東大学リーグ戦の3部以下は11月17日が最終節。3部では6戦全勝の新潟食料農業大が、昨年2位の東京工業大と対戦した。 【プレー写真はこちら】 序盤は東工大の抵抗に遭い、なかなかゴールが遠かった。ようやく17分、敵陣22メートル左ランアウトモールでゴール前まで迫る。ラックサイドをフォワードが突き、HO福田凱世(4年、郡山北工高)がポスト左にねじ込んだ。Gはキックが魅力のFB柴崎尋(3年、前橋育英)が成功し7点を先取。 谷崎重幸監督は、「個人がバラバラにラグビーをしていた。チームでまとまらないと」。ここから食農大がゲームを支配する。 24分にHO福田が2回目のファイブポインターに。34分はスクラム起点から継続し、FL江口昊(2年、新潟市立明鏡)が中央インゴールへ運んだ(21-0)。 後半最初の得点は東工大。3分にNO8畑川健勝主将(4年、筑波大付属)からSH井上夏樹(4年、湘南)へと渡り、縦に走り込んだCTB神谷颯人(3年、湘南)へ。それまでディフェンスしづらい柔軟なランを披露していた神谷が一気にトライをマークした。「あのサインプレーはどこかの大学よりもうちが上手い」とは早大出身の照沼康彦監督。 5分後、食農大がスクラムからフェーズを重ね、FL尾沼尚樹主将(4年、常翔学園)が仕留める。最終的には前後半で計8トライを奪い、52-14で優勝を遂げた。 尾沼主将も中大・山﨑主将と同じ気持ちだ。「あくまで通過点。去年、フィジカルで国士館に負けました。今年はフィジカルを鍛えて過ごした」。「毎年違うステージで戦う」をスローガンに実行してきた食農大。昨年阻まれた国士館にリベンジを果たしたい。 2位は東京農業大。最終節、駿河台大に12-31と敗れ5勝2敗。千葉商科大に72-28と大勝した防衛大と勝ち星で並んだが、勝ち点で上回った。 3位以下は防大、4勝3敗の東工大、駿河台大、2勝の千葉商科大と続いた。下位は最終戦で全敗同士の東京都立大と千葉大が対戦。千葉が10-7で制した。しかし千葉は、夏合宿時の不祥事でリーグ戦を辞退してきたため、勝ち点5にとどまった。都立が同8で7位、千葉が最下位だ。4部との入替戦は都立が4部7位駒澤大戦。昨年は22-22で引き分けた試合の再戦となる。千葉は4部で全勝した東京理科大の挑戦を受ける。 <4部は東京理科大、5部は国際武道大が制覇> 4部は東京理科大が駒澤大を第3節で35-20と下すと、順調に白星を重ね7戦全勝。駒澤も6勝1敗で終えた。 以下は昇格組の東京経済大が4勝3敗と健闘し、玉川大と同じ勝ち数。同じ昇格した横浜国立大と埼玉工業大が3勝4敗、2勝5敗の順天堂大が7位、8位は全敗の獨協大だった。 5部は9校をプールA4校、B5校に分けて予選をおこなった。11月17日の順位戦でB1位の国際武道大がA1位東京外国語大に31-10で勝利し優勝。入替戦では獨協大と対戦する。東京外大は順天堂大とあたる。 <全国地区対抗大学大会、関東地区は1区が東京学芸大、2区は信州大が全国へ> 地区対抗大学大会の関東地区の争いは、1区は東京学芸大が東京都市大に49-7、76-7と連勝し1位に。2022年度第73回大会以来、2大会ぶりの覇権奪回を目指す。 2区は決勝トーナメント1回戦で信州大が茨城大を42-12と制し決勝へ。もう一方は群馬大が新潟大に20-17と逆転勝ちしコマを進めた。決勝は信州大が58-21と圧勝し、’15年度の第66回大会以来9大会ぶりに全国切符を手に入れた。 (文:見明亨徳)