『ペルソナ3 リロード』で初めてP3遊んだら超面白かったので感想いっぱい書きました
高校生くらいに『ペルソナ5』を遊んだ時、「このゲームの一番いいところは、友達が作れるところだ」と思ったんです。嘘を楽しむはずのゲーム、ファンタジーを体験するはずのRPGの中に現実があって、その世界の中で友達を作れる。嘘の世界の中に、本物みたいな「人との関係」が用意されていた。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 そこで手に入れた関係は、嘘にならない。 そこで結んだ友情は、きっと本物だった。 そこで得た力は、現実に持ち帰れる。 これは、すごいゲームだと思ったんです。 だからずーっと……「ペルソナは友達を作れるゲーム」だと思っています。 そこが一番好きで、そこが一番すごいと思ってます。 で、今回『ペルソナ3 リロード』をちょっと早めにプレイさせてもらいました。 ここでひとつ宣言したいのですが……私、『ペルソナ3』を遊んだことがありません。漫画版やアニメ版をチラッと読んだり見たりしていたのですが、実のところゲーム本編を遊んだことがありません。だからこの記事、いわゆる「初見の感想」になります。 普通この手の「発売前に出る記事」って、「リメイクされてここが変わったよ!」とか「リメイク版はここが違う!」とか書くべきなのに、そもそもやったことがなかったので「初見の感想」になってます。本当にこれでよかったのだろうか。でも『P3R』、めっちゃ面白かったです。めっちゃ面白かったところ、いっぱい書いていきます。 文/ジスマロック 編集/実存 ■岳羽がペルソナ3で一番好きなキャラです 岳羽……好きだ…………。 「岳羽ゆかり」、『P3R』で一番最初に出会う女性キャラクター。正直、遊び始める前はなんとも思っていなかった。完全ノーマーク。でも、出会い頭で好きになってしまった。いや、出会ってからもさらに好きになった。岳羽ゆかりって、こんなにかわいいキャラだったんですか。 なんて言えばいいのだろう。そう、「等身大」。 岳羽は、「等身大」なところがいいと思う。つまり、「本当にいそう」。なんだか強烈なインパクトのキャラクターばかり出てくる中で、岳羽はかなり「いそう」な感じがする。友達でも、同級生でも、隣のクラスでも、電車の中でも。いつかどこかの学校生活で、岳羽ゆかりとはすれ違っていたんじゃないか。 ただ私の人生で岳羽ゆかりと出会うことがなかっただけ。彼女は本当にどこかの学校、どこかの都市で暮らしていて、普通の学生として過ごしているんじゃないか。そんな風に思ってしまう。弓道部、料理スキルは一人暮らし特化、明るく前向きなようで繊細。この人、「いる」。岳羽ゆかりは、「いる」と思う。 今回『P3R』をプレイするにあたって、私は物理ノートに日記を書いてみたりした。 事前プレイだから誰かに言うわけにも行かないし、ネットに書けるわけもないし、とりあえず物理のノートに思ったことをいろいろ書いた。いま見返してみると、何度も何度も「岳羽……」と書いてあるページがあって、自分でもちょっと怖い。家宅捜索に入られてこのノートを証拠にされたら何も反論できないかもしれない。 特に、特にこの「料理スキルがそこそこ」ってところが一番良いと思う。決して下手ではないけれど、なぜかちょいちょい失敗する。ひとりぐらし特化調理スキル。素晴らしい。どこかで「人間は食事の態度ですべてを語る」みたいなことを聞いた気がするけれど、岳羽ゆかりはここがすごい。リアル。 岳羽との料理イベントなんか本当にすごい。 ただ岳羽と料理をしているだけなのに、どうしてこんなにも心が浮つくのだろう。どうしてこんなにも、世界が色めきだって見える。そんなに美味しくないらしいチキンソテーを食べて、ふたりで笑いあってみる。こんな普通の日々を過ごせるから、このゲームが好きなのだと思う。「ゲームで現実(リアル)する」って、こういうことだと思う。 別に岳羽とは恋人じゃなくてもいい。友達だったとしても、すごく嬉しい。むしろ友達の方がいいかもしれない。岳羽には私の思い出の中で永遠になってほしい。終わることのない青春として保存させてほしい。 だけど……電車で、駅で、学校への坂道で、教室で、校庭で、廊下で図書室でキミと目が合った気がする━━━ってこれ最近何見たかバレるわ! マズい、本当に岳羽の話だけで書き切ってしまいそうだ。 一旦、真面目にゲームの話しましょう。 『P3R』というか……『ペルソナ3』と言えば、あまりにもイカした「世界観」こそが最大にして最強の武器じゃないでしょうか。月が満ちる日、襲い来る異形の存在<シャドウ>。満天の月下、少年少女たちは脳天に銃口を向け、「死を覚悟」することで恐怖を乗り越える力を獲得する。 この「銃でペルソナを発動する」って設定、やっぱり何年経とうがカッコいい。 しかもこれ、「死の恐怖を乗り越える」ために、自殺のシミュレーションを行ってるのが本当に……本当に最高……。このカッコ良さ、もう説明不要。なんか、「死」をメインテーマのひとつに持ってくるセンスそのものがすごいと思う。 現実に隣り合う最大の恐怖にして、必ず訪れるエンド。それは「死」。そんな恐怖を乗り越え未来へ向かう力こそ、「ペルソナ」……あぁもうめちゃくちゃカッコいい! やっぱり私、後ろ向きで生きることが許せない。 この世に生まれてしまった以上、無様に生き恥晒してきた以上、ガタガタ抜かさず気合と根性張って生きなきゃいけない。「病む」とか「死にたい」とか、そんなの言ってる暇があったら少なからずその状況を打開する手を考える時間に充てるべき。そんな風に思えるから、このゲームめっちゃ好きです。 ■美鶴先輩がペルソナ3で一番好きなキャラです 美鶴先輩……好きだ…………。 桐条美鶴。桐条グループの令嬢兼私立月光館学園生徒会長兼特別課外活動部部長兼フェンシング部所属。18歳が背負っていい肩書の多さじゃない。他のキャラも普通に考えたら結構奇抜なキャラが多いけど、この人がパワーバランスを崩壊させている気がする。 で、美鶴先輩は「友人」とか「恋人」とかでもなく……なんだろう?「戦友」? 自分の中で美鶴先輩に対して出ている答えが、「思想に共感できる」「生き方に惚れた」って感じです。美鶴先輩、本当にカッコいい。私はこの人の生き方に惚れました。在り方を美しいと感じました。共に戦う戦友<とも>として、あまりに背中の任せがいがある。 やっぱり生きる以上、人は「上」を目指すべきだと思う。むしろ上を見ずに何を燃料とすればいい? 強さと美しさを指標としないなら、何を目指せばいいのか? 少なくとも私、死ぬ時に惨めなままなんて耐えられない。できるだけ綺麗でありたくない? できるだけ人生にベストスコア出して終わりたくない? いやホント、職場にいたら一番リスペクトしちゃう。 桐条美鶴ファンクラブがあるのもよくわかる。 ああッちょっと待ってポニテ素敵!!! あんなに「美鶴先輩は恋人とかじゃないので……」とか抜かしてたけど、あれ大嘘です。このッ……桐条美鶴が家庭科で使いそうなエプロンつけてるの……なんなんだよこれッ……。岳羽もそうだったけど、食事イベントでコロッと行きすぎじゃないか? こんなに「食事」が自分にとって重要なイベントだったのか? いやでも……いま理解した気がする。 美鶴先輩への気持ち、これは「素敵」だ。ある意味「憧れ」。届かぬ星。天上の星。まさに「美鶴先輩、素敵……!」と木陰からひとり見守るモブ女子生徒が、私なのだと思う。いや俺は主人公だよ! 自我がおかしいよ! だけど美鶴先輩へのこの気持ちは、直接伝えられない! 届かないものだから好き!! 上の画像、いわゆる「総攻撃フィニッシュ」ってやつですが……これも美鶴先輩のフィニッシュが一番好きです。そしてもちろん、こういう「UI」も『P3R』はめちゃくちゃ進化しています。 メニュー画面、バトル画面、各種メールや演出……何もかも「リロード」の名にふさわしい進化っぷりです。この「リメイクとか言ってるけどほぼ別物なんじゃないの」感、個人的には『FF7R』に近い気がします。ここまで変わると普通に「別物」判定でいいと思います。 ただ単に「ペルソナ3を現代向けにリメイクする」というより、「ペルソナ3を“みんなが待ち望んでいる形”にリメイクする」という気概を感じます。いや、みんな思ってたでしょ。「P5みたいなグラでP3やりたい」って。『P3R』で大体実行に移されているので、期待してもらっていいと思います。 うーん、やっぱすごい。さっき「カッコ良さこそがペルソナ3の最大にして最強の武器」みたいなこと書きましたが、この「カッコ良さ」は、いくつか分解できると思っています。大きくわけて、3つ。 ひとつ、世界観及びアートのカッコ良さ。 ふたつ、ゲーム画面のカッコ良さ。 みっつ、音楽のカッコ良さ。 他にもキャラとかシナリオとか色々とあると思いますが、大まかにはこの3つな気がします。最初にイカしたアートが目に入ってきて、それをおしゃれなゲーム画面が包み込む。さらに音楽とムービーの演出がそれを引き立てる。「Want To Be Close -Reload-」大好き! こうしてできあがった総合芸術的な「カッコ良さ」こそ、今作最大の魅力だと思います。 とにかく、無条件にカッコ良い。無抵抗のまま、「カッコ良さ」で殴られる。 いや、「撃ち抜かれる」かな? もう、全部カッコ良い。全部カッコ良いなら、抗えるわけがない。 ■舞子とY子がペルソナ3で一番好きなキャラです 舞子……好きだ…………。 そう、「コミュ」も忘れちゃいけない。ここでしっかりきっかり宣言しておきたいのですが、私は『P3R』のコミュキャラだと大橋舞子がぶっちぎりで好きです。もう、コミュエピソードだと間違いなくこれが一番面白いと思いました。ちなみに声優も新しく河野ひよりさんが演じています。放課後クライマックス課外活動部。 舞子は……舞子は恋人なんですかね……? いや、舞子はなんかもっとそういうのを超越した関係なんだ……舞子は私が守るから……。は? 二股? 別に岳羽とはそういうんじゃないんですけど? ……いや、冷静に考えるとこの「男子高校生が女子小学生とふたりきりで遊んでる」絵面のヤバさよ。ダメだ、舞子相手に冷静になってはいけない。舞子は私が守るのだから。普段、こういう少年少女キャラを好きになることってあんまりないのですが……舞子だけは全然違いました。 舞子の「刑死者」コミュで描かれるのは、母親と父親の「離婚」に納得が行かない舞子の姿。まさに「人間ドラマ」ってヤツですね。小学生で「離婚」と直面しなければいけないとか……。そんな舞子に、主人公は何をしてあげられるのか? どう接するべきなのか? どんなスタンスであればいいのか? ある意味、最も強めに「人との向き合い方」が問われるコミュなんじゃないかと思ってます。おい、急に社会派RPGだぜ。急にクローズアップ現代みたいな味わいが出てきた。この「い、いやだああー!りこんはいやー!」のセリフが出た時、ホントにちょっと泣きそうになった。みんな、製品版で河野ひよりの名演を聞こう。 「あいがなくなったから、いっしょにいられないんだって。」 「だけど、りこんしても、舞子のことずーっとあいしてるって……」 このセリフ、もしかしたら『P3R』で一番記憶に残ってるかもしれない。 わからない、自分にはまだよくわからない世界の話だ。 愛がなくなったら、一緒にいちゃダメなのだろうか? ただ一緒にいるだけのことに、愛が必要だったのなら、愛がなくなったらもう終わりなのだろうか? 「愛」って、そんなに不定形なものなのだろうか。そんなにほどけやすいものなのだろうか。もっと、愛ってお互いが純粋で綺麗でありながら、保っていくものだと思っていたけれど。そんな簡単に忘れられないものだと思っていたけれど。 こんな話を見たあと、舞子とは、ある「約束」をすることになる。 いつか大人になった時、舞子は「愛」を覚えているのだろうか。 「これだけ遊んだんだから、もう舞子のこと忘れないよね!」 これは別れの言葉なのかもしれないけど、私にとっては救いの言葉に見えて……ウッ……舞子……。舞子、私たちずっと友達だぞ! 舞子ずっとお兄ちゃんのこと忘れないでよ!! アカンマジで泣きそう。 Y子…………す、いや……好きか…………? もう自分で書いてて舞子の感動が全部吹っ飛んでいった。 「隠者」のコミュ担当、「Y子」。この人、一応舞子の次ぐらいに好きです。 順平にすすめられたMMORPGに手を出して出会う彼女は、正体不明の誰か。いわゆる「ネトゲ仲間」というやつ。もしかしたら私と同じように『ペルソナ3』を遊んだことのない人が読んでいるかもしれないので正体は隠すけれど……もう遊んだらすぐに正体がわかります。Y子、とんでもないヤツです。バレバレすぎて面白い。 しかもこの……「隠者 インターネット」の表記もひどい。 なにかの悪意を感じる。いま私のこと隠者って言った? 私、現代っ子だから「N島とY子って、このネタわかる人?」と聞かれた時即座にインターネットを使いました。Y子、俺ら「歳の差恋愛」ってやつだよ……ジェネレーションギャップだよ……。俺、P5世代だから……早くてもデビサバだったから……あ、デビサバ15周年おめでとうございます。 やっぱりY子はⅡコンにマイクがあった時代の話を延々と振ってくるだけあって、コミュを進めれば進めるほど「大人の愚痴」を聞かされます。正直「俺の貴重な休日がY子の愚痴で潰されていく……」と思わなくもないけど、逆に異質すぎて面白い。ネトゲで延々社会への愚痴を聞くハメになる。 その内、この「ネトゲだけで知り合っているはずの人の正体が、ちょっとずつわかってくる」シチュエーションそのものが段々面白くなってくる。そしてY子とN島の恋の行方に……なんか理由もわからず泣けてくる。悔しい。悔しすぎるだろY子に泣かされるの。純愛だよこれ。 こんなわけのわからない導入なのに、純粋に「MMORPGを使ったラブロマンス」として面白くなってくるのがすごいと思います。舞子とは別角度ですごい。舞子は人生。Y子は文学。この「コミュ」も、やっぱり『ペルソナ3』では外せない要素ですよね。『P3R』ではさらにパワーアップしてますよ。 ■エリザベスがペルソナ3で一番好きなキャラです エリザベスは面白女だと思う。 もう全部で「〇〇……好きだ……」のくだりやろうと思ったけど流石に飽きました。というか、エリザベスが面白すぎるんだ。『ペルソナ3』のベルベットルーム担当こと、「エリザベス」でございます。 なんとなく「面白い人らしい」ということは知っていたけど、実際面白い人だった。隙あらばコスプレする。隙あらば「イェーイ!」とか言い始める。そして半分くらいメインヒロインかもしれない。面白メインヒロイン。「面白メインヒロイン」って誰も勝てなくね? そしてエリザベスと言えば…………そう、「タルタロス」。 もう、「P3と言えばタルタロス」と言った方がいいかもしれない。 今回も登るぞ、タルタロス!! ただ、ここも『P3R』では以前よりパワーアップしてます。いや、悪い意味でのパワーアップじゃないですからね。たとえばタルタロス内でダッシュできるようになっていたり、いろいろなサポート機能が使えたり……いくらか登りやすくなっているはず。あとは、「アルカナバースト」も結構面白い要素です。 バトル終了時に一定確率で発生する「シャッフルタイム」。 ここでは提示された数枚の中からカードを選び、「ペルソナを獲得」「この戦闘での取得経験値を増加」「パーティーを回復」といった効果を獲得できます。そして、時たま「大アルカナ」のカードが登場することも。 シャッフルタイムに登場する「大アルカナ」の効果は、通常カードの比じゃありません。たとえば「愚者」を引いた場合、その1日の探索中は永続的に獲得経験値がUPしたり、「正義」を引いた場合はシャッフルタイムでカードを2枚選択できるようになったり……とにかくどんどん「美味しく」なっていくのです。 そして大アルカナを複数枚獲得することによって、ようやく「アルカナバースト」が発動! 端的に言うと、「その日のタルタロス探索時に獲得できるカードのランクがアップする」というもの。つまり、経験値UPカードやお金獲得カードの効果が軒並みアップ! 「戦えば戦うほどオイシイ」状態になるのです!! どうせひたすら登ることになるなら、できる限りは金やら経験値やらがオイシイ状態でタルタロスを登りたい! よろしい、だったら大アルカナを取りまくって「アルカナバースト」を狙おう!! ……という感じです。アルカナバースト中のウハウハな感じ、結構楽しいですよ。 あんまり深く考えたことがなかったけど、この「タルタロスでペルソナを獲得」→「ペルソナを合体させて新たなペルソナを生み出す」→「またタルタロスへ……」というゲームサイクルは、やっぱり純粋に面白いと思う。 「繰り返し戦う」というRPGの基礎的なデザインに、「合体で見たこともないペルソナが出てくる」という未知の衝撃、そして収集欲の刺激がかけ合わさっている。 まぁこれは『女神転生』シリーズから受け継がれ続けている面白さだと思うのですが……タルタロスの「超巨大なダンジョンにひたすら挑み続ける」という果てしない探索で改めて気づかされた気がします。 ……で、これでちょっと思い出したのが「シーサー」のこと。 あ、今から本当にどうでもいい思い出話をするので、どうでもいい人はここだけ読み飛ばしてもいいです。さっき「高校生の頃ペルソナ5を遊んでいた」と言ったけど……あの当時、私の周りではちょっとした「P5ブーム」的なものが起こっていました。まぁ、本当に数人の友人間でのブームでしたが。 そこで友人のひとりが「俺もP5遊んでみたいわ」と言い出したので、私がソフトごと貸した。ちなみに彼は「ハンターハンターのゴレイヌのモノマネと、BLEACHの志波岩鷲のモノマネが得意」という謎の特技を持っている。そしたら彼は、「シーサー」というペルソナがいたく気に入ったらしい。 「シーサー」……大して高レベルではないし、そんなに強いわけでもない。 多くのプレイヤーは「あぁ、そんなのいたかも」くらいの認識だと思う。 しかし彼は、この「シーサー」がやたらと気に入ってしまったらしい。カネシロパレスにもシドウパレスにも「シーサー」を連れまわし、果てはラストダンジョンにまでシーサーを連れて行った! どんだけだよ!? 彼はこういう変なこだわりを持っているタイプで……その謎のこだわりが災いし、「ラスダン前で手持ちペルソナが弱すぎて詰む」という最悪の事故を起こした。 「シーサー外して合体しまくれば行けるって!?ヨシツネとか作れって!?」 「いやシーサーは外さない」 こういう会話を高校の休み時間に繰り広げたのを、未だに覚えている。だから「シーサー」を見るたびに、この「シーサー事件」のことを思い出してしまう。そして見事に『P3R』でも遭遇して、「うわっ!シーサーだ!!」と、意味もなく懐かしい気持ちになった。私はこのあと普通に合体させましたが。 シーサーを自分のアルセーヌだと思い込んでいた彼……元気だろうか……。久しぶりにメシでも誘ってみようかな。ほら、マジでどうでもいい思い出話だったでしょ。ま、まぁ「私のコミュエピソード」だと思っていただければ! ■山岸風花さんがペルソナ3で一番好きなキャラです 山岸風花さん……お慕いしております…………。 風花…………かわいいよね~~~~~~~~~~~~。 イイ、すごいイイ。内気かと思いきや別にそういうわけではないのも、イイ。 岳羽のくだりでもちょっと書いていたけど、『ペルソナ3』のキャラはこういう「多面的」なところが好きです。人間、そうそう簡単に「1属性」に分類できるわけがない。明るい人だと思っても、どこかに後ろ暗さを抱えているかもしれない。臆病な人だと思っても、ここぞで見せる根性は人一倍かもしれない。 この「人の複雑さ」を書いてくれる作品と、多層的なキャラが好きです。 風花も、そういう多面的なところを感じる。一見内気なようでも、人として芯が通っている。寛容でもあるし、決して陰気なわけじゃない。この「人間らしいキャラ」を描くところも、魅力だと思います。 あとやっぱり、『P3R』は声優もすごい。 元々豪華声優陣だったとは思うけど、オリジナル版の発売から何年も経って、さらに数倍「豪華声優陣」になっている。しかも新録らしい。マジかよ。全部新録……? そして山岸風花の声優、みんな大好き「能登麻美子」。 もちろん前から好きな声優さんだったんですけど……『P3R』で改めて「能登さんの声ってマジでかわいいんだな」って……。ダメだこれどうやっても石が飛んできそう。 ほら、最近の能登さん「謎の母親」とか「女師匠」みたいなキャラもちょいちょいやってるから。山岸風花で久しぶりに女子高生役の能登さん聞いた気がするから……「能登さんの声ってマジでかわいいんだな」って……。『P3R』、声優がすごい。 さきほどから何回か話題に出していますが、私はこの「学生寮」で発生するイベントがかなり好きです。基本的に仲間になったみんなは学生寮で過ごしているので、岳羽のように一緒に料理をすることもあれば、美鶴先輩のように一緒にお茶を楽しむこともあります。 ハッ、岳羽…………違う! いま風花の話してるから!! 「岳羽欠乏症」も大概にしろ!! そんな年頃の高校生数人がひとつ屋根の下、なんのイベントも起きないはずはなく……という感じで、学生寮でみんなといろいろイベントが起きます。風花の場合、一緒に読書をするイベントなんかが用意されていたり。うーん、素敵な時間。この「一緒に過ごしてる感」がすごく好き。 やっぱりペルソナには「リアルを過ごしている雰囲気」をずっと求めているから、タルタロスに潜る非日常より、課外活動部としての戦いより、こんな何気ない日常を切り取ったかのような時間が一番楽しいと思います。「友達と過ごす時間」って、何よりも楽しいから。むしろこれに勝ること、なくない? ■アイギスゥ──ッ!そろそろだよな、アイギスゥ──ッ!! アイギスゥ──ッ!そろそろだよな、アイギスゥ──ッ!! ……いまなにかあった? それアイギスじゃない方のロボ? うーん、矛盾螺旋。そろそろ、「アイギス」の話がしたい。 人の手によって作り出された対シャドウ特別制圧兵装七式・「アイギス」。南の島で出会う最強のアンドロイド。もう……これこそ真の意味で「ロマン」が詰まっています。詰まっているであります。 私、そもそも「ロボット」の概念が好きなのです。「ロボットのアニメが好き」とか「ロボットのプラモデルが好き」とかではなく、もっと大きな括りで「ロボット」が好きなのです。いやだからって急に勇気爆発していいわけじゃないと思うんですけど。だからもう、「ロボット」が無条件で好きになってしまいます。 たとえば小学生の時、そもそも『デトネイター・オーガン』なんて微塵も知らないのに、ただ「ロボットが出ているから」という理由で『スーパーロボット大戦W』を買ったり。たとえば『クロノ・トリガー』でも、理由もなく「ロボ」をスタメンに入れ続けていたり……。とにかく、「ロボット」が好きです。あとは『ゼノサーガ』のKOS-MOSとか……。 そういう「ロマン」が、アイギスには詰まっていると思う。詰まっていると思うであります。あと、デザインもめちゃくちゃいい。いわゆる「球体関節」的な意匠を取り込みつつ、チャームポイントとして赤の蝶結びリボンと、ヘッドフォン的なイヤーカバー。いや、天才のデザインですね。副島成記は天才。 これで武器が「銃火器」なのも素晴らしい。こんなに属性モリモリにしておいて、実際の戦闘スタイルが「徒手空拳」とかだったら何も面白くない。腕からバズーカ、マシンガン……まさに歩く武器庫アイギス。素晴らしい。副島成記は天才。 しかも学校にも転校してきちゃう。 なんか急激に深夜アニメ感が出てきた。とうとう「俺の隣の席の美少女が桐条エルゴノミクス研究所製対シャドウ特別制圧兵装七式らしいしシャドウとかオルギアモードで一撃で倒しちゃうんですけど、大丈夫ですか?」が始まってしまった。見た目は人間っぽいから、制服を着ればバレないらしい。なるほどなー。なるほどなー? アイギスはそもそもが「ロボット」だから、日常生活を送っているだけでなぜか深夜アニメ感が出てくる。一緒にコロマルと散歩に出かけたり、一緒に屋上で土いじりをしたり、一緒に映画に出かけたりする。非日常すぎる。 ちなみに映画に関しては、学生寮で暮らしている女性キャラ全員と行くことができる。ヒトリダケナンテエラベナイヨ──!!! ちなみに今作、あの「永劫」コミュもしっかり用意されています。 『P3R』でさらにバージョンアップしたアイギスの姿、お楽しみに。 そうだ、映画の話で思い出した。夏ごろに特別課外活動部に加入する天田くんとも映画に行けたりします。さっきの「寮イベント」意外にも仲間とのイベントがたくさん用意されていますよ。むしろここが一番楽しみ。 この「映画イベント」、一緒に行くキャラによって映画の種類も変わるというちょっと凝った仕掛けになっているんですが……天田くんとは特撮ヒーローの映画を見ることができます。いいね天田くん。私も特撮ヒーロー大好き! ただ、「特撮ヒーローの映画」と一口に言っても、いろいろ種類があります。「円谷なのか東映なのか東宝なのか」とかもありますし、「夏なのか春なのか」とかもある。ちなみに天田くんと見たのは「歴代のヒーローたちの変身シーンをこれでもかと言うほど見た」ものらしい。 ……これ春じゃねーか!!!!! ■真田明彦と荒垣真次郎がペルソナ3で一番好きなキャラです グッジョブ!!! いや……男どもの話は最後まで取っておこうかと思ってサ……。 真田先輩、面白い。というか美鶴先輩・真田先輩・エリザベスあたりが面白ラインを破壊して回っている気がする。ふたりで「ブリリアント!」「グッジョブ!」って言ってくる先輩なんなんだ。 カッコいいし、CV緑川光だし、ボクシングやってるし、CV緑川光だし、もう嫌いになる要素ないんじゃないか。なんか純粋に「この人先輩にいたら面白いだろうな」と思えるから真田先輩はすごいと思う。真田先輩とメシとか行きたいわ。よくわからんボクシングトーク延々と聞かされたい。 しかも寮で「一緒に鶏のささみ茹でないか?」とか誘ってくる。 人と一緒に鶏のささみ茹でたことあんまない。 そして真田先輩と言えば……やっぱり「荒垣真次郎」でしょう。 まぁ……なんでしょうね……この人こそ本当の意味で「ペルソナ3遊んで荒垣嫌いになれるやつおるか?」な人だと思います。しかも真田先輩との関係が……ね……。あとは料理もやたらと上手い。「極上のカツ丼」とかを作ってくれたりする。 てか、飯の話多くない? 井上敏樹脚本くらい多くない? 俺の『P3R』、飯食ってばっかじゃない? なんか書いててお腹空いてきた。これ夜中公開で申し訳ないね。 もはや荒垣先輩に至っては「触れたいだけ」な感じもしますが、『P3R』での彼の活躍もお楽しみに。 ■チドリと順平がペルソナ3で一番好きなふたりです 伊織順平のこと忘れてないよ!? いや、私は伊織順平好きですからね。何回か言ってる「人間っぽいキャラ」って、まさに彼のことだと思ってます。そんなに単純でもないし、そんなに気持ちがいい訳でもない。人間はどいつもこいつも複雑怪奇な作りをしているから、キャラクターだってそうあってもいいんじゃないか。 だけどそれ以上に、順平の「チドリ」との関係が好き。 課外活動部と敵対する組織「ストレガ」。 その一員でもあるチドリと順平はふとしたことから関係を持つ。ここで順平が話を盛って「オレが大体リーダーっつーか……」みたいなことを言い始めるのがマジ伊織順平って感じで愛しい。順平は「もし自分が順平と同じ境遇だったとしたら、何をしただろう?」と考えると、より味わいが増してくるキャラだと思います。 まさに敵と味方の許されざる関係。 「関係」で言えば、間違いなくこのふたりが一番好きです。 「順平はさ……何をしてる時、『自分は生きてる』って思う?」 このセリフを聞いた時、なんだか必要以上に考え込んでしまった。 何をしている時、「自分は生きてる」という実感を得られるだろうか? 「給料日に回転寿司行ってる時!」「好きな女性声優のラジオ聞いてる時!」みたいなクソ回答もできなくもないけど……果たして、どんな時に「生きている」と実感できるだろうか。 なんとか考えて出した私の答えは、やっぱり「普通の時間」だった。 「生きている」と感じられる時、それは安心して日常を過ごしている時。 たとえば誰かと一緒に過ごしたり、誰かと一緒にご飯を食べたり、誰かと一緒に遊んだり。何の変哲もない、面白味もない日常が、「生きている」と感じられる時間な気がする。結局最初に戻ってくるけれど、そんな「普通の時」をゲームで味わえるのが、『P3R』の面白いところ。 誰も生きていないゲームの中で、「いま自分はたしかに生きている」と、実感できる。なんだか、不思議なゲームだと思う。ゲームって現実から逃避するもののはずなのに、『P3R』では嫌でも現実と対峙する。だってこの中には「世界」があるから。 友達も作れる。 恋人も作れる。 人との関係がある。 そんな「なんでもない普通の時」を、生きることができる。 ■コロマルがペルソナ3で一番好きな犬です これを読んでいる人は、どこかで一度、「死」に遭遇したことはあるだろうか? たとえば、「祖父、祖母が死んだ」とか、「ペットが死んだ」とか。人は、人生のどこかで必ず「死」に遭遇する。それは避けようのない現実。言ってしまえば世界なんて、いずれやってくる「死」という終わりに向かって、みんなボーっと歩いているだけ。 私はここ最近、「なんとなく知りあいだったインターネットの知人が突然死んだ」という、「死」に遭遇した。顔も知らない。直接会ったこともない。知っているのはハンドルネームとアイコンだけ。なんならボイスチャットもしたことがないし、本当に「なんとなく知っている」くらいの関係だった。 ある日突然、病気で亡くなったらしいことが遺族の投稿によって明かされた。その時は、特にショックで寝込むとか……そういうわけでもなかった。別に親族でもないし、「悲しいな」くらいだった。だけど、いなくなってから時間が経つにつれ、「死んでしまった」ことを実感してきた。 ふと、「あぁ、この話題の時、あの人なら乗ってきていたんだろうな」とか。「この新作、あの人なら喜んでいたんだろうな」とか、意味もなく考えてしまう。更新の止まってしまったアカウントを遡って、とても「終わり」が来てしまったとは思えないその人が生きていた頃の日常を覗き見る。そこには、「さっきまで居たはずの人」の残滓があった。でも、もうどこにもいない。 この気持ちを一言で表わすなら、やっぱり「寂しい」なんだろうか。 死は、いつか必ずやってくる。だけど残された人にとっては、やっぱり寂しい。 「ありがとなぁ。コロマルの家族になってくれて。」 このゲームに出てくる「コロマル」というキャラは、元々飼い主だった神社の神主を失っている。そんなコロマルを、主人公たちが引き取る形で加入する。ある意味、一度「身近な死」を経験しているキャラでもある。代わりになっているのかわからないけど、コロマルの新しい家族になれる。 よくよく考えてみれば、『ペルソナ3』は「身近な誰かが死に、残されてしまった人」が集まっているような気がしなくもない。だからだろうか、こんなにも「普通の時間が、何よりも尊い」と感じるのは。 私は……最近「普通の時間」に憧れている。 「あの友達とこんなところに行きたいなぁ」とか。「こんな遊びをしたいなぁ」とか。豪勢でも特別でもない普通の時間を、もっと過ごしたい。映画館とか、遊園地とか。いろんなものを食べたり、写真をたくさん撮ったり、思い出をいっぱい作ったりして。なんかそういう「普通の時間」に、すごく憧れる。 すっごいベタだけどね。 ベタでもいいから、普通に過ごしたい。 だって……死んでしまったら、そんな「普通の時間」すら味わえない。 どんなに仲が良くても、ご飯を食べに行きたくても、一緒に過ごしたくても、もういなくなってしまったのだから。普通の時間すら、もう過ごせない。だからせめて生きてるうちに、もっと誰かと「普通の時間」をめいいっぱい味わってから、悔いのない終わりを迎えたい。最近、特にそう思うようになった。 いや、私なんかガンとか抱えてるわけじゃないですよ!? だけど、ある日突然「死」に遭遇するということは、嫌でも「終わりに向き合う」ことでもあるのだと、最近実感させられた。そして終わりに向き合うということは、やっぱり「寂しい」のだと。たとえば、ゲームがエンディングを迎えそうになった時、「やっぱり寂しいからエンディング行く前にやめようかな」とか思ったりしないだろうか。それが人間で起きると、余計に寂しいはず。 だから、すべてが終わってから「寂しい」と後悔する前に、せめてもの「普通の時間」をたくさん過ごしておきたい……そんな風に、最近思いました。そして話が最初に戻りますが、『ペルソナ3』はそんな「普通の時間」を過ごせる友達が、たくさん作れるゲームです。 ゲームなのに、まるで現実みたいに。 データなのに、本物の友達みたいに。 エンディングを迎える時、きっと「寂しいなぁ」と思えるはず。 いつか誰にでも訪れる「終わり」の時に、そんな後悔をしないために、大切な時間を過ごすゲームだと思います。同時に、そんな「寂しさ」を忘れないためのゲームだと思います。忘れてしまったら、本当に何もないから。 『ペルソナ3 リロード』は、2月2日に発売。 いろんなプラットフォームで遊べます。 忘れたくない思い出、友達といっぱい作りましょう。
電ファミニコゲーマー:
【関連記事】
- 『Hellblade II』が5月21日に発売。幻聴をキーに精神的恐怖を描くゲームの続編で、新たなゲームプレイ映像や開発秘話などが一挙に公開。敵の存在や戦闘、協力者となる仲間の存在も
- 『ニューダンガンロンパV3』が65%オフの1466円で購入できるスパイク・チュンソフトのオータムセールがSteamで開催中。ストーリーに仕込まれたギミックや終盤の衝撃的な展開が話題を大きな呼んだ人気シリーズの最新作がお得に
- 『暁のヨナ』の原画展が池袋・サンシャインシティにて開催決定!原作・草凪みずほのデビュー20周年記念。220点以上の原画やジオラマ大陸地図、フォトスポットなど
- 「Nintendo Switch ダウンロードランキング」2023年の1位は『スイカゲーム』に。上位30作品が公開され、『マリカー8』や『オーバークック2』『ブレワイ』12位など人気過去作が多数ランクイン
- マンガ『ゴールデンカムイ』の全話無料公開が1月31日まで実施中。日露戦争を生き抜いた“不死身”の男とアイヌの少女が埋蔵金を求めて大冒険を繰り広げる物語が丸ごと楽しめる