「元ドラ1」が異例の球団創設 加藤幹典氏が代表の山梨ファイアーウィンズがBCリーグ正式加盟
山梨ファイアーウィンズが25年シーズンから国内独立リーグのルートインBCリーグに正式加盟することが決まり、4日、山梨・甲府市内で記者会見が行われた。 球団代表となる加藤幹典氏(39)は07年の大学・社会人ドラフト1巡目指名で慶大からヤクルト入りした元NPBの左腕。故障に泣いての現役引退後、ヤクルト本社勤務を経て起業。株式会社山梨県民球団準備会社では代表取締役社長に就任し、立ち上げに奔走してきた。 「元ドラ1選手」が独立リーグとはいえプロ野球チームを作ったのは異例のこと。加藤代表は会見で「こみ上げてくる部分が非常にあります」とし「プロ野球は勝ちにこだわるのが全てと考えます。初年は勝ち越しを目標に、3年以内にリーグ優勝を。衣食住のサポートをしっかりし、選手育成の環境を整えていきたいです。来季もNPB選手を絶対に1名は出したい」と加盟1年目となる来季への意気込みを語った。 同球団は6月24日に開催されたルートインBCリーグ代表者会議の審査で、正式加盟が承認された。23年4月に準加盟が承認され、その後公募で球団名が決定。トライアウトなどを経て、育成選手と練習生を募集していた。監督、コーチは今後、発表される予定。秋にはBCリーグドラフト会議、トライアウトなどで来季への布陣を構築していく。海外の選手へのスカウティング、交渉もすでに開始。室内練習場の整備も甲州市内で予定している。 BCリーグは創設から18年目を迎え、今季は福島、茨城、栃木、埼玉武蔵、神奈川、群馬、信濃の7球団が所属している。来季の地区割りは未定。NPBへ羽ばたく選手も増え、直近では群馬球団でプレーしていた奥村光一外野手(24)が昨秋育成ドラフト6位で西武入り。6月に早くも支配下登録され、初安打をマークしている。【金子真仁】