セは混沌パは4強。交流戦後に逆襲可能性のあるチームはどこ?
そして、里崎氏は、セの展望をこう見ている。 「交流戦で最下位に終わった広島ですが相手が同一リーグに変われば一変する可能性は持っています。ただ、抑えの不安、打線をどうV字回復させるのかなどの問題をクリアしなければなりません。ルーキーの小園を田中に替えて抜擢しました。ファームで結果を出したわけではないようですがプロでやれる可能性を見せている選手で面白い手だと思います。交流戦の戦いを見る限り、3位の阪神、そして首位の巨人でさえ盤石とは言えません。二塁に若林という新戦力が出て、下位打線に厚みが出ましたが、ブルペンの不安は残っています。新外国人を抑え候補として獲得しましたが、未知数でしょう。阪神も投打に不安要素が残っています」 広島の交流戦のチーム打率.219、チーム得点57は、いずれも12球団最下位。打線がつながらず、守っては、抑えの中崎が不調で、配置転換を余儀なくされるなど、ブルペンの再整備も課題。相手の力が落ちる同一リーグで、一変する可能性はあるが、それらの課題のクリアに時間がかかれば陥落の危険性もある。 首位の巨人は、せっかく復活してきたマシソンがまた故障。2015年にメジャーで14勝した実績のあるデラロサを中継ぎ強化のため緊急補強したが、新外国人は投げてみないことにはわからない。阪神も中継ぎの整備はジョンソンの復帰待ちのところがあり、打線もルーキーの近本が、交流戦打率.165と急降下、梅野も交流戦打率.215と低調で、ここまで阪神打線を支えてきた2人の不調が気になる。 一方のパだが、里崎氏は、交流戦で2位につけたオリックスではなく、暫定5位の楽天を推した。オリックスは、この日もヤクルトに6-2で快勝、交流戦を4連勝でフィニッシュし、交流戦の貯金を「5」としリーグ戦の借金を「6」まで減らして5位のロッテに1.5ゲーム差に迫った。だが、里崎氏は、パの場合は、その勢いがイコール、リーグ戦の逆襲にはつながらないと見ている。 「オリックスは、ここから再チャレンジできる資格を交流戦で作りました。でも、ソフトバンクは柳田らの主力を欠き、抑えの森までいなくなった状況で優勝です。僕が楽天を後半の逆襲チームとして推す理由は則本に復活のメドが立ったからです。打線、中継ぎ、抑えが安定している楽天の唯一の不安は先発の駒不足でしたが、ここに則本が加わるのは大きいでしょう。ニュース映像でちらっと見ただけですが、則本のファーム登板は内容がありました。日ハム、西武を含めた上位4チームの戦力を見るとオリックスが追い落とせるチームが見当たりません。そこがセとは事情の違う部分です」