セは混沌パは4強。交流戦後に逆襲可能性のあるチームはどこ?
オリックスではルーキーで5番に抜擢されている中川が、打率.386で交流戦首位打者の獲得が濃厚となった。中川は、粘り強さと、右方向への打球が持ち味。新人、特にデータがなく初対戦の相手には、アウトコースを軸に攻める傾向があり、アウトコースにヒットゾーンを持っている中川が“はまった”という可能性がある。 里崎氏も「中川の打席をしっかりと見たことがないので、あくまでも一般論ですが、交流戦、しかもデータのない相手となるとなかなかインサイドを攻めることができません。そこで、いい当たりをされたりするとなおさら、アウトコース中心の配球になります。僕がそうだったのですが、アウトコースが得意だったので交流戦の配球は、しめしめでした。中川が、もしアウトコースが好きなら、ピタリと交流戦の傾向に合致したのかもしれません」と分析する。 つまり“最後のPL戦士”である中川は、データを把握されているパ相手のリーグ戦で、その真価を問われることになるのだ。中川が、その壁を乗り越えれば、オリックスの好調打線は、リーグ戦でも、その勢いをキープしていく可能性がある。 先発陣では、2年目左腕の田嶋が交流戦で復帰し、3試合に投げて防御率1.06の抜群の安定感を見せて山本、山岡、田嶋の3本柱が確立した。交流戦中のチーム本塁打は、わずか8本だったが、チーム打率.257、チーム防御率3.42とバランスが取れている。 「田嶋が出てきましたが、故障明けでまだ無理をさせられません。長いイニングを投げることができないので、中継ぎ、抑えが頼りとなりますが、交流戦で、抑えの増井が不調に陥り、ディクソンの適性を試している最中です。そこにも不安要素はあります」 里崎氏が指摘するマイナス要素を考慮するとオリックスが最下位を抜け出しパの4強に食い込んでいくには、まだ道のりは遠い。4位の日ハムまで4ゲーム差だ。 「セパ共に交流戦で作った勢いを生かす、或いは、チームを立て直すには、球宴までの11、12試合が非常に大事になってきます」と里崎氏。 気になるリーグ戦は28日から再開。セは横浜DeNA―広島の1試合、パは、日ハムーソフトバンク、楽天―ロッテ、西武―オリックスの対戦カードとなっている。