“インドア派”4年目の大谷翔平は偉業へ前進している
“インドア派”になって4年目を迎えている。ドジャースの大谷翔平投手(30)はシーズンに入ると屋外での打撃練習をほとんどしない。1度目のMVPを獲得した2021年から、屋外フリー打撃を控え、室内ケージでの調整を経て、試合に臨むルーティーンを続けている。今季は春季キャンプの序盤こそ屋外でフリー打撃を行ったが、オープン戦がスタートするとその回数は減り、室内調整に努めた。
「中(室内)で十分(練習を)できているということと、外で振ることでプラスも、もちろんありますけど、自分の中で今はマイナスになっていくことの方が多いかなと思うので、中の打撃だけやっています」
7月15日、オールスター戦前日の会見では、そのように理由を明かしている。では、そのマイナス要素とは?
「(屋外での練習は)遠くに飛ばすためのスイングにシフトしていく傾向がある。状態によっていい場合はありますけど、今はどちらかといえば、どういう打ち方をすれば飛距離が出やすい、いい角度で上がっていく方向にフォーカスした方がいいので、中(室内)でそっちを優先的に打球を見ない方向でやっています」
室内では、打球の行方を気にすることなく、スイング軌道や投球に対してのバットの出し方など技術的なことに集中できる、というわけだ。大谷の考え、取り組んでいる“正しい動き”ができているかどうか。それらのチェックを重要視している。
2022年、ドジャースタジアムでのオールスター戦では屋外でフリー打撃を行った。ファンサービスの一部という考えがあったかもしれない。昨季、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)期間中もフリー打撃を行い、圧倒的な飛距離でファンのみならずチームメートも驚かせた。昨季のレギュラーシーズンでは3、4度ほど屋外フリー打撃を披露している。だが、今季は徹底して室内にこもっている。レギュラーシーズン開幕以降、屋外フリー打撃は行っていない。もはや飛距離の確認など“飛び感”のチェックは必要ない、ということだ。