2人で通算5400試合出場 伊東勤氏と谷繁元信氏による名捕手対談 若手時代に共通して受けたアドバイス「常に自分で考えなさい」
西武黄金期の正捕手として活躍し、西武・ロッテで監督を務めた伊東勤氏が公式YouTube「伊東勤の110チャンネル」を更新。 今年殿堂入りを果たした谷繁元信氏とコラボという形で対談が行われた。 2人合わせて通算5400試合(伊東氏:2379試合・谷繁氏:3021試合)出場という、球史に残る名捕手同士の対談は”配球”の話題に花が咲いた。 谷繁氏は聞きたかったことがあるとして、「キャッチャーって配球を考えるじゃないですか?その頭の中のことを言葉で言い表すのって難しくないですか?」と問うと伊東氏も納得の表情を見せた。 捕手からのサインがあって、実際来る球が要求通り正確とは限らない。その場合に備えて常にケースごとにシミュレーションしながら次の配球を考えている。 1球ごとに状況が変わる中、それを言語化することは毎試合のように解説を行っている谷繁氏ですら難しいと語る。 伊東氏も同意しながら「捕って次に球を返す時には考えている」とし、「この場で経験しているキャッチャーとそうでないキャッチャーで差が出てくる」とした。 また、伊東氏は若い時に先輩や指導者に言われていたのが「全部教えちゃうと自分のためにならないから、配球というのは自分で考えろ」だったという。 谷繁氏は毛色が異なるとしながらも”考える”という本質は共通していた。 大洋・横浜(現:DeNA)の若手時代、ベンチからサインが出ていた際に「ただ単に出すな。なぜこの球種なんだというのを考えなさい」と常に言われていた。 それでも、「自分で違うことを感じて違うと思ったらそれを出してもいい。ベンチから出したものにするときは、”なぜこのサインなのか”をとにかく考えなさい」と、2人が若い時代に受けたアドバイスには共通点があった。 伊東氏は「この”なぜ=?”というのがすごく大事で、若い選手を教えていく中で、『聞く=一方的じゃダメですよね。分からなかった時は質問するとか、そういう選手が伸びてきますよね」と名捕手になるためのヒントを示していた。
まるスポ編集部