藤井聡太を泣かせた記憶は「全然、覚えていないんです」…伊藤匠21歳が挑む“八冠崩し”の大一番「奇をてらわず、正攻法で向かっていきたい」
「この先、長く戦っていく相手になると思いますので…」
藤井八冠はこれまで、プロ公式戦で後手番の場合、初手(棋譜の2手目)に△8四歩以外を指したことがない。「相手の得意戦法を拒否せず、すべて受けて立つ」という王者の手だが、伊藤は「僕も同じですべて△8四歩です」と語り、藤井戦に臨む際の考え方をこう説明している。 「この先、長く戦っていく相手になると思いますので、奇をてらうようなことはせず、正攻法で向かっていきたいと思います」 ひたすら盤上に凝縮される若き2人の戦いを、宮田八段はこう見る。 「伊藤に相手の研究を外して勝つという思想はない。ここまでの対局を見ると、たとえ劣勢になっても、技をかけてイチかバチかの逆転を狙うような手を指さず、あくまで悪くしない手で辛抱を重ねている。勝機はあると思いますよ」 藤井か、伊藤か。勝負の行方から目を離すことはできない。
(「将棋PRESS」欠端大林 = 文)
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