YUKI、観客と共有した“自由”を謳歌する幸せ ホールツアー『SUPER SLITS』ファイナル公演
YUKI「刹那な時間を私は大事に大切にしたい」
ドイツで撮影されたさまざまなシチュエーションの映像に合わせて「目を開けたまま夢を見ている」というフレーズから始まったYUKIのポエトリーリーディングを挟み、YUKIが再び登場。丸いシルエットの白のワンピースに衣装チェンジし、『SLITS』の中でもひときわロックな「パ・ラ・サイト」を熱唱。その勢いのままに披露した「ランデヴー」では、ステージを動き回りジャンプして会場を煽る。コンサートが終盤にむかうにつれて、YUKIはますますエネルギッシュになっていく。YUKIの力強い歌唱に観客が手を高く挙げて応えた「フラッグを立てろ」、ダンスフィーリングなセットリストには欠かせない一曲「ワンダーライン」では、銀テープが威勢よく放たれ、テンションは最高潮に。「オーライ、トキオ! 夢見ていこうぜ!」と告げて始まったのは、銀杏BOYZ 峯田和伸が作詞も手掛けた「Dreamin'」。歌詞にある〈大好き〉のコールアンドレスポンスが鳴り止まない中、「大好きっていい言葉だね」「そう、いい言葉を言っていこうよ」と語りかけるYUKI。また、「こうして会えることが当たり前じゃないと私たちはみんなよく知ってますね。だからこそこういう刹那な時間を私は大事に大切にしたい。人が人であること、こうして未完なこと、完璧じゃないこと、それってかけがえのないことだとすごく思ってる。これからも生身の身体でこうして待ち合わせしていきたいです。本当にどうもありがとう!」と渾身の思いをぶつけた。 うまくいくことばかりではない日常でも、自分で自分を褒める大切さを歌にした「Hello, it's me」。The Good Evenings、こもれびホーンズと名付けられたツアーバンドメンバーの紹介に続き、「レコーディングしてるときからあなたの声が聴こえていたんです」「トキオグルーヴ、YUKIのこの曲を完成させてくれる?」と観客に呼びかけコールアンドレスポンスをたっぷり楽しむと、アルバム『SLITS』同様ラストナンバーに選ばれた「風になれ」で大団円。約4カ月に及ぶツアーの幕を下ろした。 なお、各音楽配信サービスでは、ツアーファイナル・東京ガーデンシアター公演のセットリストをプレイリストとして公開中だ。
久蔵千恵