マンション老朽化問題、他人ごとではありません!
わが国のマンションの20%近くが、築40年以上と言われています。そして今後、都市部を中心に近年増えたタワーマンションなどが将来的に老朽化することが考えられます。 老朽化マンションの何が問題でどのような解決策があるのか、検討されている区分所有法制の見直しについても見ていきましょう。
マンション戸数
毎年新しいマンションが着工されており、2021年だけでも10.3万戸のマンションが新たに着工されました。首都圏の2021年のマンションの販売戸数は3万3636戸、平均販売価格は6260万円とじりじりと高値に推移をしています※1。一方、高度成長の時に建てられた築40年以上のマンションは、2022年末で約125.7万戸存在します。そして今後、10年後には約2.1倍、20年後には約3.5倍に増加する見込みです※2。
マンション老朽化でどのようなことが起きているのか
通常、分譲マンションには部屋の所有者全員からなる管理組合があります。管理組合の加入は、義務であり、面倒だから加入しないというわけにはいきません。管理組合が機能していれば、総会や理事会が適切に運営され、適宜、大規模修繕が行うなどして管理をしっかりすることでマンションの資産価値を下げないようにすることができます。 ところが、老朽化マンションが建てられた当時は、将来を見据えた修繕の計画や管理という考えが広がっておらず、管理組合自体がないマンションが数多くありました。そのため、適切な維持管理が行われないまま時がたち、外壁の劣化や鉄筋の露出等の建物の老朽化による不具合が起きています。なかには、外壁が剥落し居住者や近隣住民等に生命・身体に危険を及ぼす問題が発生するといった例も報告されています。 老朽化すればするほど修繕費は増えていくのに対して、高齢化した住民は、年金生活者が多く、費用を捻出できないというジレンマが発生しています。さらに、1981年以前に建てられた旧耐震性基準のマンションは、コンクリート性能から鉄筋の量、施工法が異なっているため、大きな地震に対する耐力が低いというリスクもあります。