是枝監督も絶賛! 中国映画界をけん引するチョウ・ドンユイの真摯な役作り
年下なのに、とても紳士的なワン・イーボー
――ほかに、お好きな日本映画や日本人監督がいれば教えてください。 黒澤 明監督はもっとも偉大な監督の一人だと思います、『影武者』『乱』『夢』『羅生門』など、好きな作品ばかりです。また、『Love Letter』の岩井俊二監督も好きです。日本映画が持つ、独特な表現やスタイルがとても好きなんです。 ――『ソウルメイト/七月と安生』や『少年の君』で組んだデレク・ツァン監督との3度目のコラボも期待したいところです。 私にとって、ツァン監督は映画監督である以外に、お兄さんだったり、友だちだったり、あるいは先生、お父さんのような存在なんです。 一緒に仕事をしていて、何も言わなくても、「監督は今、何を求めているのか?」ということが分かるぐらい、お互い通じ合っていると思います。だから、いつかまた一緒に作品作りができれば嬉しいです。 ――今夏に日本公開された『ボーン・トゥ・フライ』で共演されたワン・イーボーさんの印象は? イーボーさんとは映画で共演した以外も、イベントで一緒に歌ったり、何度かお仕事しているのですが、いつも思うことは、とても謙虚で、真面目で、礼儀正しい。私より5歳ぐらい年下だと思うのですが、本当にとても紳士的な方なんです。また、何かしらのかたちで、ご一緒できたら嬉しいです。
三十代になって控えた、大好きな火鍋
――そんなドンユイさんの美容の秘訣は? いま私は32歳です。二十代の頃は、大好きな四川省・重慶の火鍋を1日3食食べていました。三十代になって「こんなに辛いものを食べていいのかしら?」と思うようになり、意識的に回数や量を減らしました。その代わり、タンパク質の多いものを心掛けて摂るようにしています。日本食を食べる機会も増えましたね。 ――最後に、女優としてスタンスを教えてください。 100人の役者が「ハムレット」を演じれば、100通りの「ハムレット」があるように、観客の反応に関しても、個人の好みもあったりするので、それぞれだと思うんです。私はそれを謙虚に受け止め、今後の演技に生かしていければいいと思っています。そして、どのような役であれ、一生懸命演じること。これが私の役者としてのスタンスになっています。 チョウ・ドンユイ(周冬雨) 1992年1月31日生まれ。中国・河北省出身。チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』(11年)で7,000人のオーディションから主演に抜擢され、一躍スターダムに。中国で「13億人の妹」と呼ばれる。その後、デレク・ツァン監督作『ソウルメイト/七月と安生』(16年)で第23回香港電影評論学会大奨最優秀主演女優賞、第53回金馬奨最優秀主演女優賞を受賞。同じくツァン監督作でアカデミー賞候補になった『少年の君』(21年)では、第33回金鶏奨、第39回香港電影金像奨、第35回大衆電影百花賞で主演女優賞を受賞した。
くれい 響