還暦を前にした俳優・高橋克典、色香ただよう男前がたどり着いた温かい良き父親像
阿部寛、吉川晃司、反町隆史など、魅力的な“イケオジ”が再注目されている昨今。若い頃から精力的に活動してきた人が歳を重ねた姿には相応の魅力が備わっているものだ。そんな“イケオジ”の代表的な存在のひとりとして挙げられるのが、俳優・高橋克典。「サラリーマン金太郎」「特命係長 只野仁」をはじめとしたヒットドラマで色気のある男前俳優の代表格としてのイメージが浸透。そんな高橋は現在、「ワタシが日本に住む理由」(BSテレ東、毎週土曜夜9:00~)でMCとしても活躍し、ギラついた視線ではなく、穏やかな優しい表情で、ゲストの外国人とトークを繰り広げている。現在まで高橋が支持され続けるに至った最大の要因は、その人柄にある。還暦を前にしてなお男の色気を放つ高橋が持つ、魅力の芯を追った。 【動画】高橋克典「一回巻き戻してもらっても…」難解すぎる津軽弁をマスターしたマレーシア女性 ■甘いマスク×鍛え上げられた肉体美が演出する“二面性”という武器 高橋克典の特徴といえば、なんといってもその日本人離れした濃い顔貌。太い眉に掘りが深く、目鼻立ちもそれぞれ主張の強い造りをしている。またその強い眼差しを隠し、やわらかい笑顔を浮かべるのも得意とする高橋。キッと目力を発揮したときとの二面性が強烈で、「特命係長 只野仁」シリーズに代表される“やるときはやる男”役はまさにハマり役だった。 たとえば主演を務めた同名漫画の実写ドラマ「サラリーマン金太郎」シリーズでは、元暴走族の“型破りなサラリーマン”役を務めた。高橋が演じた矢島金太郎は暴走族集団「八州連合」の総長を務めていた伝説の男で、第1話にしてヤクザ者を相手に大喧嘩。会社に乗り込んできたヤクザ集団を前にして、「素人一匹でもなあ、死ぬ気になりゃできんぜ。てめえらとの戦争ぐれぇ…」と誰もが一目を置く度胸と気迫を見せた。 また「サラリーマン金太郎」に並ぶ高橋の代表作「特命係長 只野仁」では、見事に鍛え上げられた肉体も披露。「金太郎」時代から続く見応えあるアクションシーンはもちろん、任務中のセクシーなシーンなどで色香ただよう筋肉美でお茶の間を魅了した。普段の“冴えない青年”から“やるときはやる男”へ切り替わるシーンにおいて、その肉体が“只野仁が本質的には強い男”だと視聴者に訴えかけたのだ。 そんな高橋は2004年に結婚しており、2009年には長男が誕生。妻と共に育児に奮闘していたという。自身のブログにもときどき「チビ克」というあだ名で息子が登場し、子どもの成長を紹介している。良き父親として過ごしているということだろう。 仕事も育児も熱心にこなす高橋は、2023年に「ベストファーザー イエローリボン賞」。たしかな演技力だけでなく、そうした人柄も高橋が長く日本中から愛される理由なのかもしれない。 ■還暦を前に輝きだした“人柄”という武器 高橋の人柄を覗くことができる一番の手段はブログだが、ほかにもテレビのバラエティは注目のポイントだ。かつては動物バラエティにも出演していた高橋だが、最近ではBSテレ東で放送されている「ワタシが日本に住む理由」(毎週土曜夜9:00~)でMCを務めている。 同番組は毎回1人の外国人に密着し、仕事や生活ぶりを覗いて彼らが“日本に住む理由”を聞くというもの。母国を離れて日本で暮らす外国人の奮闘や、家族との関係性などに焦点を当てたホームバラエティだ。家族思いな高橋が、外国人の生活ぶりを見たときの反応も見どころの一つと言っても良いだろう。 たとえば少し前、5月18日に放送された「なぜ過疎の村で?古民家でロック演奏…米国人女性」の回では高橋の共感力が見えてくる。日本のロックバンドに魅せられて来日したタナさん。彼女は音楽に関する感性やパッションを語るかたわら、いま住んでいる愛知県東栄町の大好物を明かしてくれた。 それは溶け出す手前の温度で管理され、薄く削り出された「雲上ミルクのかき氷」。美しい見た目に感心していた高橋だったが、同店の店主が東京の名店「雪うさぎ」で修行を積んだという話を聞くと身を乗り出して笑顔に。「雪うさぎ」は“ちょくちょく行く”ほど馴染みのお店らしく、大興奮のようすだ。その熱量は、「雪うさぎ」が提供しているメニューのなかから自身の好きな「塩キャラメルグラノーラ」を写真つきで紹介するほど。 テレビのスタジオ収録とあっては、どうしてもゲストは緊張してしまいがち。しかし話の節々で共感と関心を示し、あいづちを打つ高橋の表情はやわらかい笑顔だ。「LP世代」「音楽好き」などといった小さな共通点に喜び、「それでそれで」と話をどんどんうながしてくれる…そんな高橋の姿勢に、こわばらず話せるようになったゲストは多いことだろう。 異なるルーツだからこそ感じる日本の良さや、日本人でも知らなかった日本の姿を再発見できる同番組では、そうした高橋の人柄の良さがハッキリと見られる。ちなみにアシスタントを務める繁田美貴アナウンサーとの気心知れたやり取りも、見どころの1つ。 還暦を前にして、高橋の色気立つ男っぷりはいまなお衰えていないが、ドラマの強烈なイメージとは異なる“今”の優しいイケオジMC・高橋克典の姿にも注目だ。