自力V消滅ピンチの巨人が冒した記録に残らないミス
試合後、原監督は、この回に触れ「勝負を焦り過ぎた」と悔いたが、掛布氏は、この回に集中していた記録に残らない守りのミスが流れを変えたと見ている。 「守りにも勝負にいく攻撃的な守りというものがある。そういう守りが攻撃のリズムにつながるものだが、巨人は、守りに入った。9回無死三塁から得点につなげられなかった巨人の攻撃と無関係ではなかったと思う。逆に阪神の福原、オ・スンファン、安藤の3人は、攻めの姿勢を失わなかった。その差が勝敗につながった」 9回に代打・堂上が、執念の内野安打で一塁へヘッドスライディング。代走・鈴木のプレッシャーにオ・スンファンのけん制球の手元が狂い、無死三塁の勝ち越し機をつかんだが、立岡はショートゴロ、代打・高橋由はショートフライ、坂本はセンターフライに倒れ、犠飛の1本も打てなかった。 走塁ミスが目に余り、8月25日のヤクルト戦から勝呂コーチに代わって川相ヘッドが三塁コーチャーズボックスに立つなど、守備走塁面に関してのテコ入れを行ってきたが、勝負どころで、また手痛いミス。なかなか抜けきれない今季のチーム体質をまた大事な一戦で露呈してしまった。 今日10日の先発は、対阪神戦に4勝1敗、防御率2.43の相性の良さを持つポレダ。 4番の阿部の調子も上向きで、ストッパーの沢村も、不安なき威力を見せつけた。阪神の先発もメッセンジャーで、ひとつのミスが命取りとなる緊迫したゲームとなるのは必至だが、各チームの指揮官が「最後は出てくる」と警戒を強めていた巨人が、このまま真っ先に優勝争いから脱落してしまうわけにはいかない。