人と話したいからネイリストに。47都道府県を巡った山本杏里が気づいたこと
◇ネガティブなときは自分の感情と向き合うチャンス 山本さんの表情からは、これからも思いっきり人生を謳歌していこうとするポジティブなエネルギーが感じられるが、その源泉はどこにあるのだろうか。 「47都道府県出張ネイルをやろうと思ったとき、人間関係とか環境とか、いろんな条件が揃ってないと、それをしようとすら思わないんだなってことに気づいたんです。エネルギーが自分にないと何もできないし、やりたいと思っていても一歩が踏み出せない。まずは自分が元気でいることが大事だと痛感しました」 「体が資本」と語る山本さんにとって、好きなことを仕事にするということは、日々、自分自身と向き合い、心身ともに健康であり続けるということなのかもしれない。健康について山本さんはこう続けた。 「これから30代で海外でチャレンジしようってときに、将来の結婚や出産のことも考えると、体の状態が良くないと前に進めないなって。若さってすごい武器だから、なんでもできると思っちゃうんですけど、無理をしすぎて体にガタがきても長続きはしませんよね」 一方で、仕事となれば楽しいことだけでは終われない。大変なことや苦労もあるなかで、仕事に対するモチベーションを保つ秘訣について聞いた。 「もちろん、ネガティブになるときもあるんですけど、そういうときこそ、自分の感情と向き合うチャンスだと思うんです。落ち込んだ自分を分析してみたりして。そうやって自分と対話を重ねていくことで、少しずつ自分のことが理解できるようになって。そしたら前に進むヒントが見えてくるんじゃないかなって」 ◇いつか北欧でネイルの仕事がしたい 今の時代を生きる私たちは、SNSを通して多くの人の人生や考え方に触れることができる。それは、時に自分を奮い立たせてくれる刺激になる一方で、知らず知らずのうちに他人と自分を比べてしまい、無意識のうちにプレッシャーを感じてしまうことも少なくない。他人と自分を比べてしまう気持ちについて、山本さんは次のように話す。 「他の人と比べちゃう気持ちはよくわかります。インターネットで見えている部分が全部じゃないってわかっていても、綺麗な人もカワイイ人も(SNSには)たくさんいるし、キラキラした毎日を発信している人を見ると、つい焦っちゃいますよね。 一方で、この人の“こういう考え方ステキだな”とか、“こんな生き方いいな”って思うこともありますよね。そういうときは、じゃあ自分は自分なりにやっていこうみたいに、モチベーションにつなげるようにしています。その憧れとのギャップを縮めようと努力することが、自分の成長につながると信じています」 SNSで見つけた人と自分を比較することは悪いことではない、そう山本さんは続けた。大切なのは、比較することで見えた、自分に足りない部分の捉え方だ。 「SNSで見つけたステキな人を、“自分とは違う世界の人だ”とか“ライバルだ”とも思わず、目標の1人として捉えるんです。この人みたいにできないから自分はダメなんだって考えるんじゃなくて、“この人を目標にして、自分も頑張ろう”って、前向きなエネルギーに変えていく。そういうモチベーションになる人を見つけられると、頑張れるんですよ。 47都道府県を回る前は、自分にとっての正解、答えみたいなものが見つかるんじゃないかなと思ってたんですけど、いざ回ってみても何もなかったんです。その“答えが見つからなかった”っていう経験が、私にとっては大きかったですね。人それぞれ、正解も生き方も違って当たり前。みんなが手探りで生きている。その等身大の感覚を持てたことで、SNSを見ても以前ほど焦らなくなりました」 他人と比べるのではなく、ステキだと思う人たちの良いところを吸収しながら、自分なりの道を歩んでいく。山本さんの言葉は、SNSについて悩む多くの人へのヒントになるのではないだろうか。 さらなる活躍の場を求めて、海外でのネイル活動も視野に入れている山本さん。最後に行ってみたい国を聞いてみた。 「理想を言えば、いつか北欧でネイルの仕事がしたいです。北欧の柄って、特徴的で可愛いじゃないですか。そういうデザインを取り入れたネイルアートができたら楽しそう。想像するだけでワクワクが止まらないですね」 (取材:すなくじら)
NewsCrunch編集部