被災地に元気届ける 大の里「高岡来た人に良い報告を」 大相撲高岡場所
●相撲熱に笑顔 高岡で10年ぶりに開催された大相撲巡業で、新大関の大の里らが能登半島地震、奥能登豪雨の被災地に元気を届けた。高岡場所(富山新聞社・北國新聞社主催)に詰めかけた富山、石川のファンは「北陸は一つ」との思いで力士に声援を送り、大の里は「高岡、(前日の)金沢に来てくれた人たちに良い結果を報告したい」とさらなる快進撃を誓った。 【写真】遠藤、北の若、正代と記念撮影に臨む児童生徒=高岡市竹平記念体育館 「大の里ー」。公開稽古に大の里が姿を現すと会場に拍手と歓声が響いた。小結平戸海、豪ノ山らと申し合いで対戦し、横綱照ノ富士から細かく技術的な助言を受けた。ぶつかり稽古にも精力的に汗を流した。 「北陸の相撲熱はどこよりもすごい。声援がひと味もふた味も違う」と、大の里は支度部屋で笑顔を見せた。地震、豪雨の二重災害に苦しむ奥能登の被災者については「自分は簡単に口にできない」と心情をおもんぱかった。 スピード出世で大銀杏(おおいちょう)を結えない「ちょんまげ大関」は11月の九州場所に向け、「しっかりと準備し、北陸の方に結果で恩返ししたい」と力を込めた。 ●能登出身の遠藤、輝も声援に感謝 穴水町出身の遠藤は地元と高岡との近さに親近感を覚えており「金沢場所のように声援があった」と喜んだ。故郷の被災には「言葉にならない衝撃的なことが2度も起きた。大変だが前を向いて進んでいくしかない。自分も同じ気持ちで前に歩む」と被災地に寄り添う思いを語った。 輝は出身の七尾市から大勢が来場したことに感謝の思いを強くし、「七尾に近い富山もいろいろあった。被災地が忘れられないように、自分が活躍して話題になればいい」と語った。