日本初、医・食・農のプロがつくる弁当ブランド「からだデリ」販売開始
調理支援システムなどの開発を行う「グローカル・アイ」(本社・大阪市西区)はこのほど、医・食・農のプロがつくる健康づくりごはん、お弁当ブランド「からだデリ」(からだにデリシャス)の販売開始について会見を開いた。
日本初のユニークな取り組み
国立循環器病研究センター、全国国立病院管理栄養士協議会などと連携し、全国の病院で提供している、献立やレシピに基づく弁当ブランド「からだデリ」を立ち上げ、さらに全国11の事業パートナーを通じて12月1日から大阪府、東京都など4都府県を皮切りに販売を開始するというもの。同時に順次全国へ広げていく予定で、国立病院など全国164の施設とネットワークシステムを構築し、塩分や脂質の量だけでなく、味にも配慮したレシピを提供。一般消費者にも病院食を食べられるようにデジタル化し、配信する。これは日本初のユニークな取り組みだ。 会見で同社の田崎和弘社長は、「この事業は大阪から全国へ展開するものです。3年前からの取り組みです。このブランド名『からだデリ』は全国の事業パートナーと組んで展開し、献立を一般家庭にも配信します。お弁当は適塩、低カロリー、バランス、地元あじにこだわり、地域にあった食事となっています」と、語った。
医療のプロ、調理のプロ、生産のプロがタッグ
また、国立循環器病研究センター・臨床栄養部、村井一人栄養管理室長は、病院食を取り巻く現実として、人的制約、予算的制約、栄養管理上の制約、調理作業的制約などを上げ、「患者さんに食べてもらえなければ治療食の意味がない。ただ近年、病院食を外でも食べたいという需要が増えたので、病院食を院外でも広める活動を行っています」と説明。外来患者向けの減塩調理講習会を2010年から開始し、今年2月まで17回開催。開業医やそのスタッフへの弁当提供(試食会)なども行っているという。 最後に、全国国立病院管理栄養士協議会、浅井慎悟部長は、「病院の食事は、これまで『早い・冷たい・まずい』と言われていた時期がありました。そのような病院食のイメージからの脱却、改善を行ってきました」と述べ、「昔から食べてきたものを食べたいという患者さんの要望が強く、そのため、地元の味を献立に取り入れたかった。食事の摂取量を上げる、それがいちばん大事だと考えています」と、地元あじの大切さを話した。 全国164施設の国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、国立ハンセン病療養所に所属する「国栄協」では、長年にわたって臨床現場で培われてきた献立(レシピ)調理ノウハウを生かし、地域に密着した国民の健康づくり、正しい食生活の普及活動に尽力しており、病院食は随分と変わってきていると言える。 医療のプロ、調理のプロ、生産のプロがタッグを組んだ画期的な取り組みだけに、からだにデリシャスなお弁当なら、家庭の食卓でも食べてみたいものだ。 (文責/フリーライター・北代靖典)