「踊る」再始動に「世界陸上」再登板…「織田裕二」忘れられた俳優からの巻き返しなるか
シリーズ累計興行収入500億円を誇る人気刑事シリーズ「踊る大捜査線」では、今年12年ぶりにプロジェクトが復活し、「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」の2部作が公開された。そしてついに、主役である織田裕二(57)演じる青島俊作をメインに据えた本編の最新映画「踊る大捜査線 N.E.W.(エヌ・イー・ダブリュー)」の2026年公開が発表された。 【写真】かつて織田の「恋人」を演じた若かりし頃の鈴木保奈美はこちら 「1990年代、衰退の一途をたどった邦画界を救ったのが『踊る』シリーズでした。この頃、洋画は邦画の約1.8倍の配給収入を上げており、邦画界は虫の息だったのです。現在では邦画の興行収入は洋画を抜いています。両者の勢いが逆転した転換点となったのが、『踊る』シリーズでした。1997年、ドラマシリーズとしてスタートした『踊る~』の映画化を提案したのは織田でした。すでに『東京ラブストーリー』でブレークし、数々のトレンディードラマで名を残してきた織田が、最終回が視聴率20%を超えたら映画化してほしい、とプロデューサーに頼み込んだのだという逸話があります」(映画ライター) ドラマで盛り上がったファンたちが熱量そのままに映画館になだれ込み、映画化は大成功。劇場版第一弾「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)は、前代未聞の大行列となり興収は100億円を突破。5年後、第二弾では興収173億を記録し、邦画の実写映画興収歴代1位の座を20年以上守り続けている。しかし、織田は2000年代以降、徐々に露出が減っていくことになる。 「数々のトレンディードラマで名をはせ、当時の名だたる敏腕テレビマンたちから重宝されたことで、織田さんは若くして大御所となってしまいました。織田さんの演技に対するこだわりの強さやストイックさに周囲がついていけなくなり、結果的に起用しづらくなったと言われており、出演作は激減していきます。“青島刑事”という当たり役に縛られたという理由もあるでしょう。ここ数年は賛否の分かれる役も多く、目立ったヒット作もありませんでした。昨夏には30年ぶりに主役以外で出演したドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』が話題となりましたが、ドラマ自体はそれほど盛り上がらなかった。『踊る』の全盛期から20年以上がたち、20代はもちろん30代でも『誰?』と思う人は少なくないようです」(テレビ情報誌の編集者) こうした中、今年3月に「踊るプロジェクト」再始動が伝えられた。当時、誰もが「織田裕二=青島刑事」の帰還を期待したが、先に公開されたのは室井慎次2部作だった。