スフィア、petit milady、DIALOGUE+......2024年声優ユニットシーン“節目”の動きを振り返る
2024年の声優ユニットシーンはアニバーサリーに合わせたタイミングで久々に活動するユニットがファンを喜ばせたり、多数のユニットが解散、活動終了を発表するなど、様々な意味で“節目”を感じさせるものに。そこで本稿では、節目を迎えたユニットの動きを中心に2024年のシーンを振り返っていきたい。 【ライブ写真】『スフィアスーパーライブ2017 ミラクルスフィア in 代々木第一体育館』の模様 ■“アニバーサリー”での活動が、ファンを歓喜させた2ユニット まず特徴的だったのは、節目の活動年を迎えたことを機に久々に活動を活発化させ、ファンを喜ばせたユニットが複数存在したこと。その代表格がスフィアだろう。特に活動休止を謳っていたわけではないが、2021年2月以降は新曲のリリースがなかったスフィア。そんな彼女たちは今年11月に、デビュー15周年を記念したシングル『Shining days, shining stars!』をリリース。CDのリリースとしては実に5年ぶりとなった。作詞を畑亜貴、作編曲を黒須克彦が担当したこの曲は、冒頭部分に徐々にインサートする秒針の音が“進み続ける時”を感じさせつつ、〈星〉や〈軌道〉のようにユニットがモチーフとしているものも歌詞に盛り込んだ上で“未来を一緒に楽しみたい”というファンへのメッセージを込めたナンバーとなっている。 本楽曲を手掛けたのが、活動初期の多くの楽曲や5周年アニバーサリーソング「Eternal Tours」を提供した2人によるものだという点も含めて、ファンとしては非常に胸熱な1曲。来年2月には約5年ぶりとなる有観客でのワンマンライブも控えた4人の今にピッタリのナンバーを通じて、ファンへと来年への期待をもたせてくれた。 スフィア同様に、節目のタイミングで久々に活動を行なったもう1ユニットがpetit milady。2019年の作品リリースを最後に、しばらく活動がなかったが、今年の5月に突如「デビュー10+1周年記念企画」を発表し、その第一弾として7月にライブアルバム『Merci mille fois』をリリースすると、11月には既発曲のリアレンジ版と新曲などを収録したミニアルバム『petit milady ANNIVERSARY MINI ALBUM ~Bonsoir~』を発表。そこに収録された久々の新曲「ツナグ」は、活動していなかった時期にも結ばれていた2人の思いやファンとの絆を感じさせるバラードで、それを優しく歌う彼女たちのボーカルがファンの胸を熱くした。 そのうえ、ミニアルバムのDisc2には「azrite」のライブ音源を5パターン収録していたり、来年2月に同作を携えたワンマンライブ開催後に行なう“打ち上げパーティー”イベントへの参加には「トーク内容をSNSに書かない」という誓約書が必須だったりと、どこか破天荒で型破りな“プチミレらしさ”も健在。約6年ぶりとなるワンマンライブや単独イベントでどんな姿を見せてくれるのか、こちらも非常に楽しみだ。 ■様々な意味で“節目”を意識させられた、2024年の声優ユニットシーン 一方で、前年からの勢いを持ちながら、節目の1年を駆け抜けたユニットも多数存在する。まず名前を挙げたいのは、やはりDIALOGUE+だ。結成5周年を迎えた2024年の幕開けを、1月7日にパシフィコ横浜にて開催した自身最大規模のワンマンライブ『LIFE is EASY?』で華々しく飾ると、二度のツアー開催や各種フェスへの出演に加え、シングル2枚、アルバム1枚をリリースするなど精力的に活動。さらにはメンバー企画立案イベントや対バンイベントの主催など、新たな試みも行なってきた。12月29日にはワンマンライブ『DIALOGUE+ LIVE「DIALOGUE+3」』を開催し5周年イヤーを締めくくる彼女たちは、2025年もすでにシングル2枚のリリースや年末ライブの追加公演開催を発表済み。加速し続けるDIALOGUE+から、まだまだ目が離せなさそうだ。 2024年の勢いのすさまじさといえば、i☆Risも忘れてはならない。今年は10周年プロジェクトの一環として、自身がモデルとなった劇場アニメやドキュメンタリー映画が公開。11月4日にぴあアリーナMMにて開催された『i☆Ris 12th Anniversary Live ‐初☆アリーナMM(マジみて)‐』まで突き進んでいった。惜しくもチケット完売こそならなかったものの80%以上もの動員を果たし、自身の1公演での史上最多動員数を更新。活動12周年で過去最高を塗り替えるというのは、そう容易く成し遂げられるものではないだろう。しかも彼女たちは、2025年に5年ぶりとなる5thアルバムのリリースや10度目の全国ツアーの開催もすでに決定している。磨き上げられたパフォーマンスを生で味わい惹かれるのは、今からでも決して遅くはない。