「過半数までマジック幾つ」も見えて来たか それでも「石破首相」を待つ魔の国会運営
内閣不信任案の可決と背中合わせ
「国民民主は来夏の参院選を見据え、自分達の政策がどれくらい実現されたかを可視化するために行動すると見られています。公言しているように与党に過度にコミットすることはなく、案件ごとに賛成反対、是々非々で臨むことでしょう。石破政権は常に内閣不信任案の可決と背中合わせという少数与党の辛さを抱えながら進行することになります。もちろん自民はかつてそのような時代を経験していますが、石破首相自身1993年に離党しているため“辛酸を舐めた経験がない”とも言われていますね。まあ、もっとも今の自民内でその辛い日々を経験した人は数えるほどしかいないわけですが」(同) 直近のFNNの世論調査によれば、「自公と新たな他党との連立」「少数与党で継続」「立民と他の野党による政権交代」の選択肢がほぼ同率となっている。 「細かな設定などは違いますが、なんだか天下三分の計のように感じましたね(笑)。立民は議席のうえで躍進したとはいえ比例での得票数は前回と横ばいで頭打ち感も否めません。首班指名で立民が“玉木”と書く勇気があれば状況はまた変わっていたことでしょうが」(同)
延命に協力するつもりはない
一方で国民民主は政権の延命に協力するつもりはなく、政策の実現に全力を尽くすと言い続けている。 「政策を丸呑みされ続けても政権の延命には加担しないというスタンスを貫けるなら政権にとってその動向は常にストレスになることでしょう。国民民主を中心に野党との折衝を請け負うのは森山裕幹事長。国民民主側は“ガラス張りの折衝”を主張しますが、どんな状況であっても根回しは必要で、森山氏は余人をもって代え難い。国対委員長として坂本哲志氏がいるわけですが、坂本氏では話にならないとの声も聞かれます」(同) 国民民主側の出方によっては、来年度予算案の審議がクライマックスを迎える来年2、3月がひとつの節目になりそうだ。先述した「自公と新たな他党との連立」「少数与党で継続」「立民と他の野党による政権交代」の選択肢のバランスに変化があるかもしれない。 かつて安倍政権が盤石の頃には、「与党が強すぎること」が非難の対象となっていた。今、「与党が弱すぎること」もまた非難の対象となっている。果たして最適解はどこにあるのか、今後の国会で見えて来るのだろうか。 デイリー新潮編集部
新潮社