DeNA・度会隆輝、昇格即2点三塁打 「勢いづけられたら」魂のヘッスラ!
(日本生命セ・パ交流戦、ロッテ0-4DeNA、1回戦、DeNA1勝、11日、ゾゾマリン)魂のヘッドスライディングだ!! 約1カ月ぶりに1軍へ戻ったDeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が11日、「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ1回戦(ZOZOマリン)に「9番・右翼」で先発出場し、第1打席で勝利の道筋をつける右中間への2点三塁打を放った。頭から滑り込み、プロ初の三塁打をマーク。チームの起爆剤として期待した三浦大輔監督(50)の起用に応え、4-0の快勝に貢献した。 【写真】「優しい」笑顔で筒香嘉智に抱きつく度会隆輝 力みなぎるルーキーが、らしさ全開で帰ってきた。頭から三塁ベースに滑り込み、目の前のベンチに向かってこれでもかと拳を掲げる。1打席目に右中間を破る2点三塁打を放った度会は、2軍で浅黒く焼けた顔をほころばせた。 「勢いづけられたらいいなと。思いを込めたヘッドスライディングでした」 二回に同期入団のドラフト6位・井上(四国IL徳島)の適時打で1点を先制してなお無死一、三塁で打席へ。一塁走者の井上が二盗を決めた直後の3球目、左腕の小島が投じた内角高めの速球を肘を畳んでさばき、中堅から本塁方向へ吹き荒れた風に負けない一打でプロ初の三塁打を記録した。 今季はセ・リーグの新人では史上初となる開幕戦から2試合連続の本塁打を放つなど鮮烈なデビューを飾ったが、その後は調子を落とし、5月16日に出場選手登録を外れた。1軍では守備のミスが目立っただけに、この日は試合前に飛球を捕る練習を繰り返した。 横浜高では1年春からベンチ入りを果たし、ENEOSでは1年目から定位置をつかんだ。エリート街道を歩んできた21歳がプロになって経験した「見る側の立場」。表向きには変わらず明るいが、青山2軍監督は「内心はつらい部分があったはず。それでもベンチで声を張り上げていた」とファームでの様子を明かす。 強みの打撃も鍛え直し、イースタン・リーグでは18試合で打率・324(68打数22安打)、1本塁打、8打点と好成績を残した。「一つじゃない。一から見直すくらいの気持ちだった。追求してきたから理想のスイングができた」。主力の宮崎ら故障者が続出したチームは苦しい状況が続く。降格前、主に1番だった度会はプロ入り初の9番で出場。「起爆剤になってもらいたい」と送り出した三浦監督は「いい働きをしてくれた。(ナインが)勢いづいた」とねぎらった。 返り咲いた1軍で脚光を浴び、出身地の千葉・市川にほど近い球場で再出発を決めた期待の新人。「お客さんの量、雰囲気、全部が(2軍と)違う。この環境のありがたさを分かるようになった。もっとこの舞台でやりたい」。止まっていた時計の針が、音を立てて動き出した。(鈴木智紘)