イ・セオン“サンウ”「僕たちの店を守ってください」最終回でメンバーが決意した、マートと自分たちの未来<社長ドル・マート>
イ・シニョン×シウミン×チェ・ヒョンウォン×チェ・ウォンミョン×イ・セオンという若手人気俳優&トップアイドルという、フレッシュな顔ぶれがそろった韓国ドラマ「社長ドル・マート」(Huluにて配信中)。最終回となる第10話では、ポラムマートの元オーナーとイ・ジウク、ヒョニ(パク・チャンフン)の関係が明らかになる。実はイ・ジウクの他にもいた相続人と今後のマート経営について、5人が出した答えとは。本記事では、考察を踏まえながら第10話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】チュニJとして活躍するチェ・ヒョンウォン“イジュン”のキュートな笑顔 ■相続人はヒョニの両親…メンバーたちが取った行動 5人によって鍵が開かれた開かずの間は、ポラムマートの元オーナーが用意した部屋だった。そこでオ・イェリム(チェ・ジョンウン)は元オーナー、ヒョニ、イ・ジウクの3人が並んで撮った写真を発見。そして実は元オーナーがヒョニの祖父で、「お前のせいで離れ離れになった彼らが、またここで集まれるように」という思いからマートの相続人に元サンダーボーイズの面々を指名したということも明らかになった。 イ・ジウクとヒョニの関係はいまだわからないものの、何としてでもマートを守らねばともう一度決心するメンバーたち。しかしその前に、突然イ・ジウクが現れる。証拠があるという言葉を聞いたイ・ジウクはチョ・イジュン(チェ・ヒョンウォン)のパソコンを奪うのだが、そこへユン社長が「相続人は他にいる。イ・ジウクは第一順位ではない」と驚きの事実を告げに来た。 ユン社長が持ってきた情報は、相続人の第一位に指定されていたのがヒョニの両親であること、そしてイ・ジウクはヒョニの従妹にあたる間柄という驚くべきもの。混乱は収まらないが、ひとまずわかっているのはイ・ジウクがなぜか祖父のマートを潰そうとしていることだけ。ヒョニの両親は彼の事故以来音信不通となっているのだが、もしも両親が現れなければイ・ジウクがマートの所有権を手にしてしまう。メンバーたちはなんとかヒョニの両親を探すため、作戦を考える。 チェ・ホラン(イ・シニョン)はラジオの力を借りてヒョニの両親を見つけるため、以前出演を断ったラジオプロデューサーと連絡を取った。久々にサンダーボーイズとしてラジオ出演を果たしたメンバーには、ファンから暖かい応援の言葉がたくさん届く。そしてユン・サンウ(イ・セオン)が「もしどこかでこれを聞いていらしたら…ヒョニさんのご両親、僕たちの店を守ってください」と全国へ呼びかけるのだった。 サンウの言葉とメンバーの熱意がヒョニの両親まで届き、2人がポラムマートを訪ねてくる。これまでのできごとやイ・ジウクの脅迫についてヒョニの両親に伝えたメンバーだったが、ヒョニの両親は10歳までヒョニとともに過ごしたイ・ジウクはそんなひねくれた男ではないと驚く。 ヒョニの両親との会話のあと、チェ・ホランには一つの考えが芽生えた。それは、ポラムマートを家族の元へ返すということだ。メンバーたちで話し合いの末、全員がポラムマートを手放すことを決意する。 ■再び別の道を歩き出すメンバーたち メンバーたちはヒョニの両親にイ・ジウクの犯行を収めたカメラを手渡し、ポラムマートの経営を任せることを伝えた。そこへ再びイ・ジウクが大勢の作業員たちを引き連れて現れる。メンバーやヒョニの両親の言葉に見向きもせず、作業員たちが商品の撤去を進めていく…。 しかし「話をしましょう」とヒョニの両親が声を上げると、イ・ジウクはようやくヒョニの両親と向き合う時間を作った。そこで“息子同然”に育てられてたはずの自分が渡米したあと、一向に連絡をくれなかったヒョニの両親に「息子はヒョニだけでしょ」と怒りをぶつける。 長年感じていた疎外感を打ち明けたイ・ジウクに、ヒョニの両親は「悪かったよ…つらかっただろう」「ヒョニを失って、私たちはおかしくなってた」と心から謝罪。そこに悪事に関わる会話を録音していたユン社長が警察を連れてきて、イ・ジウクは連行されることに。しかし「終わったら豚カツを食べよう」と昔のように声をかけるヒョニの両親に向ける表情は、憑き物がおちたように晴れやかだった。 マートは和解を果たしたイ・ジウクとヒョニの両親、3人で経営することに。だが店を手放すまでに、メンバーたちは常連客とお別れをする時間をもらった。「次の社長はもっといい方々ですよ」「僕の方こそ感謝しています」。それぞれが自分たちの成長やこれまでの思い出を振り返りながら、最後の営業日を迎える。 そして1人ひとりが、再び別の道を歩み始めた。ユン・サンウはオーディションを受け、順調に本戦に進出。オ・イェリムはチェ・ホランの代わりにパク社長の後継者として新社長に就任する。ヨンミンはジナと順調な交際を続け、結婚を彷彿させる会話も交わす仲に。 テホもこれまでの感謝の意を姉に伝え、オ・イェリムに上げる予定だったファンデーションをプレゼントする。しかしそのファンデーションはチョ・イジュンが勝手に使用していたため、「使いかけの物を人に?」と相変わらず姉を怒らせていた。チョ・イジュンはラジオに出演するなど“チュニJ”として活動中。そして彼が出演するラジオに、「やあ無職。30歳の初日に雑煮を食べよう」というメッセージが入る。 そのメッセージ通り、メンバーは改めてポラムマートに集合を果たす。近況報告や今後の予定などを話しつつ、それぞれ無職の身に戻ったため働かないとと話をするなか、突然ユン社長からチェ・ホランに電話が入る。 いったいなにごとかと電話を取ったチェ・ホランの口から聞こえてきたのは、「俺たちの名義の結婚式場がある?」という驚きの言葉。電話を切ったチェ・ホランがメンバーを見渡すと、それぞれがニヤッと楽しげな笑みを浮かべる。「次は結婚式場の社長だ…多数決」と声をかけるチェ・ホランに、全員が「賛成」と大声で応えるのだった。 ■コメディ要素の中に人の成長がしっかり描かれた作品 第10話ではポラムマートとイ・ジウクの関係性やマートの行方が明らかになっただけでなく、次なる道に歩み出す5人の姿までが描かれていた。長年感じていた疎外感や愛情不足によって歪んでしまっていたイ・ジウクの更生も果たされ、百点満点のハッピーエンドを迎えた形だ。 またマートを手放して新たな道を歩み始めたメンバーたちも、それぞれマート経営で掴んだ成長が活きているのがわかる。5年前に失意のなか解散したときとは異なり、別々の道を進んでもラジオのコメント1つで集まるなどたしかな絆で繋がっていた。 仲間の死によって解散したチーム、愛情に飢えて歪んだ男の復讐、見覚えのないマートの相続と未経験の経営…。それぞれのエッセンスを取り上げれば重めなのに、メンバーの演技とコメディチックなせりふによってバランスが取れていたと感じる。