なぜ鹿島アントラーズはACL本大会出場権を逃したのか……背景に異常な過密日程
今回のアントラーズのように必死になって決勝戦へ進んでも、敗れた場合に「罰ゲーム」のような強行日程を強いられるのは明らかに本末転倒となる。アントラーズに限らず、元日に決勝が開催される限りはオフの期間で必ずJクラブ間で多寡が生じ、不公平感の源になっていく。 来年度もすでに決勝戦の元日開催が決まっているが、日程を変更するうえでネックになってきたクラブワールドカップが2021年からは夏場に、しかも4年に一度の開催となることが決まっている。リーグ戦の最終節前後へ天皇杯決勝を前倒しして、すべてのJリーガーがほぼ同時にオフに入れるスケジュールを再考できるまたとないチャンスが訪れるわけだ。 「これがいまの僕たちの実力だし、目を背けてはいけない。何を言われても逃げることなくすべて受け止めて、シーズンの最後にここから大きく成長した姿をサポーターのみなさんに示したい」 仲間たちの思いを代弁するように、タイトル独占の夢を絶たれた三竿が努めて前を向いた。実際にプレーする選手たちの悲壮な覚悟に応えるためにも、天皇杯を主催する日本サッカー協会とJリーグは、いまこそプレイヤーズファーストの視点に立って改革のメスを入れなければいけない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)