<ウクライナ現地写真報告>市民と退避シェルター 連日の防空警報、戦時下の日常 (写真17枚)
◆恐怖と隣り合わせの日々、市民疲弊
連日のように鳴り響く防空警報。いつ落ちてくるかわからないミサイルや自爆ドローンへの不安が、人びとの心に重くのしかかる。恐怖と隣り合わせのなかで市民は疲弊している。警報やシェルターが「あたりまえ」になってしまった、戦火のウクライナの日常を写真で見る連続シリーズ。(オデーサ/玉本英子・アジアプレス) 【関連動画】ウクライナ中部ウマニでのKh-101巡航ミサイルで破壊された集合住宅(2023年4月)
消防を管轄する国家非常事態庁(DSNS)と国連児童基金(UNICEF)が作成した図。「壁2つ」とは、ミサイルや砲撃の爆発から身を守るため窓から少なくとも壁2つ隔てた奥まった場所に移動することを推奨するもの。(ウクライナ・DSNS画像)
ミサイル炸裂時、エレベーターが停止することもある。高層住宅では階段で階下に逃げ、破片やガラスの飛散を避けるため窓・鏡から離れるよう指示。窓から離れた通路側は生存の確率は上がるが、「安全」というわけではない。(ウクライナ・DSNS画像) 「いつロシア軍のミサイルに当たるか、これが本当のロシアン・ルーレットってやつさ」。ある住民は、ミサイル攻撃下に暮らす自分たちの状況をそう表現した。警報のたびに窓から遠ざかって奥の部屋に移動したり、地下シェルターに避難したりを強いられる人びと。あまりに頻繁に鳴る警報に慣れてしまって避難しない人も少なくない。ミサイルや爆撃は、直接の被害だけでなく、人びとの心を着実に疲弊させていく。
昨年7月の集合住宅へのミサイル攻撃の現場。わずか数メートルで当たらなかったのにと思うと悲しくなる。炸裂したミサイルは部屋を吹き飛ばし、下までフロアごと崩落。10歳の少女と母親を含む6人が亡くなった。(2024年2月・クリヴィー・リフ:撮影・玉本英子)
防空レーダーが察知したミサイル攻撃の兆候があると、防空警報が発令される。対象地域には防空サイレンが鳴り響く。テレビも番組を中断するなどして警報を表示。病人や高齢者を助けあって退避を呼びかける画面も映し出される。(2024年4月・オデーサ:撮影・玉本英子)