惰性で続く、週1回1時間半の定例会議。社会人の時給に換算したら、年間でいくらの損失になりますか?
各企業によって、理念や慣習は異なります。そのため、自社で長年続けていることを、正しいと思い込んでいるケースも少なくありません。惰性で続く定例会議もそうでしょう。その会議に意義があれば問題ありませんが、慣習として続けているだけであり、特に内容も発展性もなければ、無駄な会議といえます。 今回は、惰性で続く無駄ともいえる会議の損失額を概算してみます。
一般的な社会人の時給はいくら?
まずは、一般的な社会人の時給を計算してみます。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は458万円でした。年間の労働日数を240日とした場合、日給は約1万9000円となります。さらに、1日8時間労働とした場合の時給は、約2400円です。 同調査結果では、正社員のみの平均給与は523万円と公表されています。同じように、日給と時給を計算してみましょう。正社員の日給は約2万2000円、時給は約2750円です。年齢や業種などにより年収は異なり、出勤日数や残業時間などでも細かな数字には違いが出てきますが、平均時給は2400~2800円程度とみておくとよいでしょう。
無駄な会議の損失額
生産性のない無駄な会議に参加している人にも給与が支払われていると考えると、その時間分の給与は確かに損失といえるでしょう。社会人の時給を2400円とした場合、その無駄な会議が1時間半にも及ぶのであれば、会議1回ごとの損失額は3600円となります。正社員の時給を2800円とした場合には、4200円の損失です。 週に1回行われているということは、月に4回の実施となるでしょう。無駄な会議の損失は、月額で1万4400~1万6800円です。さらに年間に直すと、損失額は17万2800~20万1600円となります。会議に参加するのは正社員であるケースが多いと考えられるため、無駄な会議に費やされる年間の損失額は、1人あたり20万円ほどと推計可能です。
会議の見直しを提案してみよう
会議に参加している人からすれば、無駄な会議であったとしても、会議に費やした時間分の給与が引かれることは基本的にありません。損失を被るのは企業の方です。 ですが、会議の時間を業務にあてることで、さらに多くの成果があげられるのであれば、結果的に自身の給与が増える可能性はあります。そう考えると、会議に参加する人たちにとっても、無駄な会議はなくした方が有益です。 1人あたり年間20万円ほどの損失となるため、会議に参加する人数が増えるほどに、企業としての損失額も増えてしまうでしょう。可能であれば、こうしたデータも示しながら、会議の見直しを提案してみるのも一案です。 理解してもらうことで、会議をなくしたり減らしたりでき、会議をするにしても生産性の高い意義のあるものにできる可能性が高まります。どのような会議とすべきかも具体的に立案しつつ訴えられれば、さらによい結果につながりやすくなるでしょう。
無駄な会議は1人あたり年間20万円ほどの損失
日本人の平均年収から換算すると、正社員の時給は2800円ほどです。生産性のない無駄な会議が1時間半行われた場合、その会議による損失は4200円ほどとなります。会議が週に1回行われるのであれば、年間の損失額は約20万円です。 この会議が結果的に自身の給与に悪影響を及ぼしている可能性が高い場合は、具体的な会議の方法や内容も添え、会議の見直しを提案してみましょう。 出典 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 ―調査結果報告― 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部