銀行で学費を振り込もうとしたら詐欺被害に遭っていると疑われ…77歳の芸人「おばあちゃん」NSC入学までのてんやわんや
厚生労働省の調査によると、2023年6月時点で70歳以上まで働ける制度がある企業は約10万社とのこと。社会が「人生100年時代」に向けて変化する中で、自発的に働く高齢者の方もいます。今回紹介するのは、77歳で芸歴5年の若手芸人「おばあちゃん」。おばあちゃんは「認知症でも詐欺被害でも孫の付き添いでもありません」と言っていて――。 【写真】ライブのために準備をする芸人・おばあちゃん * * * * * * * ◆認知症でも詐欺被害でも孫の付き添いでもありません NSCの合格通知が届き、まずは主人に報告です。 「お父さん、私は吉本に行くことにしたよ」 「ああ、そうかい。吉本は老人ホームも作ったのかい」 「いやいや違うよ、お笑いの勉強をするんだよ」 「今さらお笑いの勉強かい? お前自体がもうお笑いじゃん」 そんな会話を交わしました。でもそれで、あっさりと報告終了です。 主人はこれまでの長い結婚生活で、私が何かやると決めたら絶対に実行する人間だとよく知っているので反対はしません。 「協力はしないけど邪魔もしないよ」というスタンス。とは言いつつも、自分のできる範囲で協力してくれています。ありがたいですね。
◆健康診断書 次に、学校へ提出する健康診断書を発行してもらわなければなりません。 かかりつけ医はあるのですが、個人医院ゆえ、必要な診断項目すべての検査はおこなえない。そこで、初めて行く総合病院へ問い合わせの電話をします。 「学校に提出する健康診断をお願いしたいのですが」 「はい、大丈夫ですよ。おいくつの方ですか?」 「71歳です」 「えっ!?」 電話に出た受付の女性は、しばらく絶句した後。 「いったいどこに出すんですか?」 「お笑いの学校です」 「えーっ!」 再び驚かれた。 でも健康診断は問題なく受けられるとのことで、予約して後日検査に行きました。 担当してくれたのは50代くらいのベテラン医師でしたが、私のようなケースは初めてだったらしく……。 「(医師のコメント欄に)どこまで書いていいのか分からない」 それはそうですよね。だって70代なんて、どこかしら身体に不調があるに決まってるんだから。 でも、血圧が多少高いことや膝の手術歴があることが入学取り消しの理由になるのだけは避けたい。 そこで、「いつもかかりつけ医に診てもらっていますから診断書には余計なことを書かないでください」と先生にお願いしたら、書き方を配慮してくださいました。 ただ、お笑いの学校に行くとも伝えてあったので、最後に冗談交じりに言われましたよ。 「念のため、認知症の検査もしておきますか?」って。
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