妻子亡くした男性 思い出探し「娘の携帯」に涙 「皆さんのおかげです」
日テレNEWS NNN
発生から40日目を迎えた能登半島地震。妻子を失い、いまも遺品を探し続ける男性がいます。9日夜、新たに娘の携帯電話が見つかり、男性は「皆さんのおかげ」だと、涙ながらに感謝を述べました。 ◇ 地震から40日目を迎えた石川県輪島市。楠健二さん(55)は9日も、倒壊した自宅を訪れていました。 妻と娘を亡くした楠健二さん(55) 「みんなにはゴミにしか見えないけど、やっぱり見ると一個一個に思い出がある」
妻・由香利さん(48)と長女の珠蘭(じゅら)さん(当時19)を亡くし、2人との“思い出”を見つけては持ち帰る日々が続いています。そして2日前の7日、“特に見つけたい”と願っていたものの1つが、見つかりました。 楠健二さん 「これが時計です」
去年の誕生日に妻・由香利さんがプレゼントしてくれた腕時計。 楠健二さん 「俺、時間守らないから『時間守ってね』って感じだと。見ると全て思い出してしまう。しばらくはつけられない。あとは娘の携帯がないので」 その後も懸命に探し続け、今夜ついに、長女・珠蘭さんの携帯が見つかりました。
楠健二さん 「探していた携帯ですね。そんなに壊れていないような気がする」 「これで次の一歩進めるかどうか、ちょっとわからないけど」 「皆さんのおかげです、本当に。1人じゃ絶対に見つからなかった。これだけ見つけてくれて本当によかったです。帰ろう」 2人の法要を執り行うため、いったん輪島市を離れる楠さん。また必ず“思い出”を探しに戻るということです。
■九段理江に聞く 居住し「暖かさ」感じた石川県 望ましい支援とは
中島芽生キャスター 「九段さんは、石川県に住んでいらっしゃったことがあるんですよね」 作家・九段理江さん(33) 「はい。24歳ごろから3年間ほど住んでおりました。石川の方たち、本当に温かくて、いやな方に出会ったことがありません。まずは被災された皆さまが、早く日常を取り戻されることを願っております」 中島キャスター 「知り合いの方で被災された方の状況は、どうでしょうか」 九段さん 「大きな被害を受けたという話は聞いていないのですが、逆に先月、芥川賞が決まった際にお世話になった皆さまから『勇気をもらった』などとメッセージをいただきまして、それがとても嬉しかったです」 中島キャスター 「どのような支援が、これから望ましいと感じていらっしゃいますか?」 九段さん 「つい我慢してしまう、本当に必要な助けを声に出せない方も、たくさんいらっしゃるのではないかと思っております。被災された方々の思いを、丁寧に聞き取ることが、大事なんじゃないかなと思っております」 中島キャスター 「聞き取ったうえで支援につなげていくことが大切ですね」 (『news zero』より)