ソニー、ボーズ、アップル、テクニクス、結局どれが買い? 2023年完全ワイヤレス四天王を振り返る
ノイキャン最強&空間オーディオで高評価
Bose「QuietComfort Ultra Earbuds II」(実勢価格:3万6300円前後) 10月19日発売 年末となった現在もホットな話題を集める人気モデルがBose「QuietComfort Ultra Earbuds II」。ノイズキャンセル最強ブランドであるBoseの新製品であり、約2カ月前に登場し世界最高のノイキャンを謳ったソニー「WF-1000XM5」の発売後というタイミングが絶妙でした。Bose自身は新機能“Boseイマーシブオーディオ”の空間オーディオを一番のセールスポイントとしていました。 製品が出回り始めると、“やはりノイズキャンセルはBoseが凄い”という評価が定着。Boseらしいパワフルなサウンドと新機能の空間オーディオのサウンドも臨場感抜群で、どんな曲でも立体音響になると大好評。 総じて言えることとしては、前評判よりも実機を体験したユーザーの評判が良く、期待値の性能で人気に繋がっているということ。Boseらしいパワフル指向のサウンドに、aptX adaptiveコーデックによる音質面アップ。強力なノイズキャンセルと空間オーディオがお気に入りです。
2024年の完全ワイヤレスイヤホン市場はどうなる?
2024年の完全ワイヤレスイヤホンは、いくつかのトレンドが見え始めています。 主役の高音質やノイズキャンセルの性能アップは、個人最適化(パーソナライズ)に注目。音質やノイズキャンセル効果を個人の耳の形に応じて調整する技術で、現在はAppleやBoseが先行しています。また「Apple Vision Pro」登場の後押しもあって、空間オーディオもトレンドとして再浮上。初物としての評価だけでなく、その完成度や汎用性が問われる1年になります。 他方で、耳を塞がない外の音が聞こえるワイヤレスイヤホンも2024年のさらなる勢力拡大を予想しています。これは、音質やノイキャン重視の本格派ワイヤレスイヤホンに対して、取り回しのラクさを重視するという真逆のトレンド。従来はShokzに代表される骨伝導イヤホンの独壇場でしたが、2024年はイヤホンに近い技術による高音質なサウンドを聴ける製品や、1万円以下のコスパ重視の製品など価格レンジも広がっていきそうです。 技術的には、2023年に一部製品で採用されたBluetooth LE Audio、LCコーデックにも注目。従来のBluetoothオーディオ(Classic Bluetooth)から技術転換となるもので、低遅延と低レートでの高音質を実現し、音途切れを押さえられるメリットもあります。2023年は利用可能なスマホが限られていたので、2024年はスマホ側の対応機種拡大に期待したいところです。 こうして見ると、完全ワイヤレスイヤホンは高音質・ノイキャンというサウンド関連の機能だけでなく、新機能や快適さまで、さまざまな方向へと進化しています。2024年も完全ワイヤレスイヤホンがオーディオ&ビジュアルの主役になることは間違ナシですよ。
<文/折原一也>