トランプ氏、ルビオ氏ら対中強硬派起用へ-国務長官と国家安保補佐官
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は、中国を厳しく批判してきた共和党議員2人を新政権の外交・安全保障の要職に起用する構えだ。マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)を国務長官に指名する見通しで、ホワイトハウスの国家安全保障担当補佐官にはマイケル・ウォルツ下院議員(同)を充てる方針。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
共和党の副大統領候補の最終リストにも残ったルビオ氏は、経済大国として台頭する中国に強硬姿勢を示す。民主派弾圧に伴い香港への優遇措置撤廃などにトランプ政権が動いた2020年には、中国の制裁対象となった。ルビオ氏の入国を禁止した同国政府は制裁見直しを含め難しい対応を迫られる。
一方のウォルツ氏(50)は、主要な国家安全保障機関の調整役で、大統領へのブリーフィングや政策実行の任務を負う担当補佐官への起用が見込まれる。グリーンベレー(米陸軍特殊部隊)にかつて所属した同氏は、アフガニスタンなどに派遣された経験を持ち、中国を米国にとって他のどの国より「大きな脅威」と見なす。
外交・安全保障の主要ポストにルビオ氏とウォルツ氏が選任される見通しとなったことは、トランプ政権2期目においても米中関係が再び緊張するとの観測を高めるものだ。両国は18年から貿易戦争を繰り広げ、領事館を相互に閉鎖するなど緊迫した状態が続いた。
中東情勢を巡っては、ルビオ氏はイスラエルのパレスチナ自治区ガザでの戦争やレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラへの攻撃を支持してきたが、北大西洋条約機構(NATO)の強力な擁護者という側面も持つ。
トランプ氏は、エリス・ステファニク下院議員(ニューヨーク州選出)を国連大使として政権入りさせる意向も示しており、政権主要ポストへの下院議員の登用が続く。
先の下院選(定数435)は最終結果がなお確定せず、AP通信によると、11日時点で共和党214、民主党204。下院議員2人が政権入りすることで、過半数218議席を共和党が確保できても、民主党と僅差になる状況は避けられそうにない。