南緯40度到達、海洋観測スタート 本紙記者南極へ、第66次観測隊
【インド洋=鶴岡支社・近岡国史】南極の昭和基地に向け、南極観測船「しらせ」で航行する第66次南極地域観測隊(原田尚美隊長)は11日、南緯40度に到達し、東経110度線での海洋観測を開始した。同じ航路上で50年以上続く観測活動で、地球温暖化などに伴う海の変化をモニタリングしている。 例年、往路と復路で南緯40~60度の5度刻みで船を停止させ、実施している。昨年の往路は荒天のため、40~50度地点を中止したが、今回は計画通りにスタートした。 曇り空で冷たい風が吹く中、しらせの乗員と協力して行った。ウインチを使い、海水採取用のボトル6本(1本4リットル分)と、水温や塩分濃度を測るセンサーを取り付けた装置を海中に沈めた。ワイヤを500メートルほど伸ばして引き揚げた後、観測隊員が海水を分析項目ごとに小分けした。引き続き、ネットを投入し、水平と鉛直の各方向に動かしながら植物、動物の両プランクトンを採取した。
船上観測を取りまとめる村上裕太郎さん(35)=日本海洋事業、千葉県市原市出身=は「まずは無事にできて良かった。今後も限られた時間の中でしっかりと観測できるよう、準備を整えたい」と話した。同様の観測は南緯60度に達する15日までの間、毎日行われる予定。