糸井嘉男氏の超人目線 阪神ホントの勝負は9月 最後に劇的なドラマが待っていると感じています
阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。今回のテーマは逆転V。阪神は4カード連続で負け越し、首位・広島とのゲーム差は5に広がった。日本ハム時代の2012年に逆転優勝の経験がある糸井氏は「今が正念場、ホントの勝負は9月」と逆転Vに期待を寄せた。 【写真】9月に復帰した糸井は月間MVPを受賞するなど大暴れした 名古屋での中日戦はショックを引きずりそうな3連戦でした。守護神・岩崎投手が打たれ、守備のミスも出ました。首位・広島とは5ゲーム差。試合数が減ってくると、優勝への可能性は厳しくなるものですが、ホントの勝負は9月です。まだ32試合残っていますから、今大切なのは数字を見るのでなく、目の前の試合に全力を尽くすこと。気持ちを切り替えて、ヤクルト3連戦に臨んでほしいと思います。 ペナントレースは最後の最後まで分からないと痛感したシーズンがあります。日本ハム時代の2012年、8月を終えた時点で首位・西武と1・5ゲーム差の2位でした。それが9月に入るとみんなが調子を上げて、一気にリーグ優勝へ突き進みました。僕も9月7日にケガから復帰。この年は統一球の影響で納得の成績ではありませんでしたが、「絶対に優勝する」と強い気持ちを持ってプレーしていました。チームは9月に16勝7敗2分け、僕も月間MVPを獲得することができました。 阪神の話題に戻すと、ここまで不本意と思っている選手はたくさんいると思います。でも「終わり良ければすべて良し」です。昨年優勝した経験も9月にきっと生きるはずです。最後に劇的なドラマが待っていると感じています。9月に勝負をかけるため、少しでも首位との差を縮めて、8月を終えたいところです。 ◆2012年の日本ハム 前半戦を2位で折り返し、8月終了時点で首位・西武と1.5ゲーム差の2位。9月6日の時点でも首位・西武と2ゲーム差あったが、7日に糸井が右脇腹痛から復帰すると、西武とデッドヒートを繰り広げる。28日に優勝マジック4が点灯、10月2日に優勝を決めた。糸井は9月21試合、打率.380、3本塁打、15打点で月間MVPを獲得した。