お年寄りの『自立』には家族の協力が不可欠…親が介護施設で快適に過ごすために子どもができること
親の自立を助けるために子供ができること
では次に、子どもが親の自立を守るためには、具体的にどうしたらいいのでしょうか。それは、介護を受けるための情報を収集し、どんな介護を受けるかを親と一緒に選ぶこと。親が自分の意思を表現できない場合は、親になり代わって選ぶことです。 また、不都合があれば介護内容の変更や改善を申し出ることや、介護してくれる相手に対し、親になり代わって感謝の気持ちを伝えること、つまりは、選んだ介護がより豊かなものになるように配慮すること。これも、親の自立を守ることにつながります。 それは、一方的に職員を責めたり、必要以上にへりくだって持ち上げたりすることとは違います。よりよい介護を受けるために、要望があれば明確に伝え、希望に適った介護が受けられたときには、感謝の気持ちを素直に言葉にすることです。職員にとって、家族からのこうした言葉は、その人の介護を続ける励みになります。その積み重ねが、職員と家族との信頼関係を築いていきます。 介護職員としてお年寄りの自立を支援すること、子どもとして親の自立を守ることの根底には、両者の信頼関係が不可欠なのです。
髙口 光子(理学療法士・介護支援専門員・介護福祉士・現:介護アドバイザー/「元気がでる介護研究所」代表)