センバツ高校野球 北海3年ぶり「春」 別海「初」21世紀枠(その1) /北海道
26日に開かれた第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会で、昨秋の道大会を制した北海(札幌市)と、21世紀枠の道地区候補校・別海(別海町)の出場が決まった。北海は3年ぶり14回目、別海は初出場。待望の吉報に両校の選手たちは歓声を上げ、夢舞台での活躍を誓った。大会は3月8日に組み合わせ抽選があり、同18日に阪神甲子園球場で開幕する。【後藤佳怜】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち ◇「夏」より上に 大舞台で 大会公式サイト「センバツLIVE!」の配信を映したスクリーンを真剣な面持ちで見つめていた北海の選手たちは、出場決定の発表を聞くと、拍手をしながらほっとした表情を浮かべた。 北海は、昨夏の甲子園で培った大舞台での粘り強さと打線の安定感が武器だ。昨秋の道大会優勝後は、今大会から導入される反発性能を抑えた新基準の金属製バットにいち早く切り替え、11月の明治神宮大会でも使用。センバツを見据えて準備を重ねてきた。 金沢光流主将(2年)は「新バットに合わせて体作りに努めており、打撃の力強さが秋に比べて格段に上がった。目標は優勝」。新チームで4番を任されてきた宮下温人(同)も、「(昨年の)夏の甲子園は緊張感が強かったが、春はもっと落ち着いたプレーをみせる。自分のヒットでチームを勝たせたい」と決意を新たにした。 昨夏の甲子園はベンチから見守った右腕、松田収司(1年)は「小さい頃からの憧れの場所。得意のカーブや変化球で緩急をつけ、打ち取れる投手になる」と成長を誓う。 平川敦監督は「2年生野手を中心に夏より一つでも多く勝ちたい。投手陣は未知数の部分があるが、秋からの頑張りの成果に期待したい」と選手らを鼓舞した。 ◇「2校うれしい」 札幌・号外500部配布 北海と別海のセンバツ出場が決まり、毎日新聞北海道支社は26日、JR札幌駅に直結する地下街「アピア」で、計500部の号外を配布した。号外を受け取った北海学園札幌高校1年の荒竹璃乙奈さん(16)は「北海道から2校選ばれてうれしい。甲子園に応援に行こうと思っているので、両校とも頑張ってほしい」とエールを送っていた。【真貝恒平】 ……………………………………………………………………………………………………… ■昨秋道大会 ◆北海 ◇打線切れ目なく 北海は3年ぶりに優勝した昨秋の道大会で、昨夏の甲子園経験者9人がメンバー入りした。4試合で計33得点、チーム打率3割2分4厘。1番の片岡誠亮(2年)や中軸の宮下温人(同)を中心に下位打線まで切れ目がなく、犠打も絡めてどこからでも得点できる。 投手陣も頼もしい存在が台頭した。伸びのある直球が武器の右腕・松田収司(1年)は、札幌地区大会を含め6試合で防御率1・91。新屋敷寿也(2年)も安定感が光る。 ◆別海 ◇最少16人で4強 出場チーム中最少の16人で道大会に臨んだ別海は、2試合連続1点差勝ちと接戦での強さを発揮した。 快進撃の中心はエース右腕・堺暖貴(同)と主将・中道航太郎(同)のバッテリーだ。中道は2回戦の苫小牧中央戦で逆転サヨナラ本塁打、準々決勝の知内戦でも決勝の3点二塁打を放つなど勝負強い。釧根地区大会から全6試合に先発した堺は丁寧にコースを突く投球で防御率1・70。道大会で初の4強入りした勢いそのままに、聖地に乗り込む。【後藤佳怜】 ……………………………………………………………………………………………………… ◆北海 ◇夏の出場、全国最多 1885年創立の私立高。野球部は1901年創部。センバツでは第15回大会(38年)に北海道勢として初出場し、第35回大会(63年)で道勢初の準優勝を果たした。夏の選手権大会は全国最多40回の出場を誇り、第98回大会(2016年)で準優勝。春・夏の甲子園通算成績は35勝53敗。元ヤクルト監督の若松勉さんらプロ野球に多くの人材を輩出。卒業生には、1932年ロサンゼルス・オリンピックの陸上三段跳びで金メダルに輝いた故南部忠平さんらがいる。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆北海の昨秋の公式戦 ◇札幌地区Bブロック 1回戦 ○16-2 札幌厚別 2回戦 ○ 6―5 札幌日大 代表決定戦 ○17-0 札幌白石 ◇道大会 2回戦 ○ 9―0 稚内大谷 準々決勝 ○10-0 クラーク記念国際 準決勝 ○ 6―1 別海 決勝 ○ 8―4 東海大札幌 ◇明治神宮大会 2回戦 ●1―2 作新学院