定年で仕事をやめるのはもったいない…世界の研究でわかった「生涯現役」で働くことの大きなメリット
---------- 年をとっても働きつづけている人のほうが幸福度が高く、認知症にもなりにくい……。ヨーロッパの大学の研究で、こうした事実が科学的に証明され始めている。著書に『老いを楽しむ心理学』(ワニブックス)がある心理学者の内藤誼人氏に、「生涯現役」で働くことのすすめを説いていただいた。 ---------- 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”
働いている人のほうが幸福度も高い
たとえ定年を迎えても、まだ身体が動くのであればどんな仕事でもかまいませんので、やはり働いたほうがよいと思います。 最近の高齢者は、みな若いですから。60歳でも、70歳でもピンピンしている人はいくらでもおります。そういう人は、まだまだ積極的に働いてください。 自営業者や農家の人たちには、基本的に定年などありません。身体が動くうちは80歳になっても元気に仕事をしています。 だからなのでしょうか、相当に健康を維持できているような印象を受けます。 ドイツにあるコンストラクター大学のキャサリン・ボーウェンは、各国から最低1500人ずつを募集し、28か国で調査を行ってみましたが、65歳以上でも働いている人ほど、働いていない人より幸せに生きていることがわかりました。 フランスにあるボルドー大学のキャロル・デュフォイルは、約43万人の定年者についての調査を行い、働く年数が1年延びるごとに、認知症になるリスクが3.2%減少するという結果を得ています。働いていると、ボケにくいというメリットもあるのです。
動けるうちは無理のない範囲で働こう
仕事をしていないと、ネガティブな思考が頭に浮かんでしまいます。 「俺は、もう枯れてしまったのだな……」 「そろそろ終活かしら……」 「毎日、何をして過ごせばいいのだろう……」 そういう気持ちになりやすいのです。 その点、仕事をしている人は、自分はまだまだ現役だという気持ちがありますので、精神的に老け込むこともありません。 したがって、働けるうちは、無理のない範囲で働くのがいいと思います。 もちろん、若い頃のようにフルタイムで働く必要もないので、1日に数時間とか、週に2、3日でもよいと思います。