中日・松坂大輔キャンプ初日に見えた復活の糸口と波及効果。「100点の1日」
「僕に答えられることは何でも答える。(その答えが自分に)合わないのなら聞く必要はない。僕もそうしていた。自分で考えてやってきた。見えない部分、わからない部分があれば、いろんな人に聞いてもいいが、(そのアドバイスが)自分に合う、合わないの判断はしっかりとしないといけない。とくにプロ野球選手は」 近年のプロ野球選手はコーチの言うことより、カリスマ性のある選手の言うことを聞き、実行に移す傾向にある。そう考えると松坂のチームにおける存在意義は確かに大きい。 松坂は陸上競技場での5キロ走も淡々とこなした。 途中「今、何周だっけ?」と報道陣に尋ねるほど集中して走りこんだ。 「走る量が多い? 前のチーム(ソフトバンク)も多かったので特にビックリはしない」 一緒に松坂とスタートした新外国人のディロン・ジー(31)は、途中、松坂のペースについていけずに遅れ、コーチから「無理せずに止めてもいいんだよ」と指示が出たが、「松坂が走っているんだから止められない」と、ランニングを続けていた。これも小さなエピソードだが、とても大きな松坂効果である。 「中日の雰囲気? 僕はすごくやりやすいですけどね。明るい子が多い。年下ばかりですけど。一緒にいても楽しいですし、すごくやりやすいチームだなと思います」 夕刊紙の記者に自己採点を聞かれた松坂は、「やりたい練習がすべてできた。100点の一日だったと思う」と答えた。 100点の1日――。 観客は2000人を超え、例年120、130人の報道陣は200人を超えた。 結果こそすべてのプロ野球ではあるが、中日ドラゴンズ松坂の20年目のシーズンが面白くなってきた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)