ロレックスの高級腕時計172本などを配送車ごと盗んだとして男5人が逮捕された事件。その後の取材で犯行の詳細な手口が見えてきました。そして窃盗の狙いとは。 　「無施錠の自動車を配送中に盗まれた」 　事件が起きたのは今年5月。大阪市中央区の路上で、荷物を配送していた軽ワゴン車が盗まれました。 　車の中に入っていたのはロレックスの腕時計172本など。被害総額は約2億8000万円にのぼります。 　警察はこれまでに、実行役の村田徹容疑者（52）や大西真也容疑者（52）ら3人に加え、きのう新たに犯行の「計画」や「指示」をしていたとみられる森北健二容疑者（55）ら2人を逮捕しました。 　その後の捜査関係者への取材で、現場近くの防犯カメラに映る詳細な手口が見えてきました。 　実行役の村田容疑者らは事件前、車に乗って配送車を尾行。 　配送車が路肩に止まり、運転手の女性が荷物を持っていなくなると、車から男1人が出てきて、配送車に乗り込みます。 　配送車のドアは無施錠でキーもついたまま。そのまま2台で走り去ったということです。 　わずか3分ほどの犯行でした。 　その後、男らがカメラに映っていたのは、事件当日の夕方、大阪市浪速区内の路上でした。 　盗まれた配送車と実行役の車が並んで止まると、男らはロレックスの腕時計が入ったジュラルミンケース5個などを、もう1台の車に素早く移し替えます。 　そして、配送車を乗り捨て、もう1台の車で逃走したということです。 　警察は5人の認否を明らかにしていませんが、犯行の狙いについて、ある捜査関係者は―。 　捜査関係者 「覚醒剤の購入資金稼ぎが、動機の一つだろう」 　逮捕された5人のうち村田容疑者以外の4人は、覚醒剤とみられるものを所持していて、警察は覚醒剤の購入資金を稼ぐ目的で、犯行に及んだ可能性もあるとみています。 　一方、盗まれた高級腕時計は大半が見つかっておらず、警察は5人の他にも事件に関わった人物がいるとみているほか、配送車を狙ったいきさつなどを詳しく調べています。