大谷選手の過熱報道も批判の的に 上垣アナ「容姿イジリ」問題に見る「なぜフジテレビは“陽キャ”的な身内ノリをやめられないのか」
なぜか止まらぬフジアナの勘違い 「半同棲報道」謝罪動画で炎上したアナたちも
「ちゃっかり」という言葉の使い方もそうだが、フジアナは内輪でしか通用しない振る舞いを平然と電波に乗せてしまいがちだ。入社前から「フジっぽい人」の特権としてあらゆるコミュニティーでちやほやされてきたからなのかもしれないが、世間の感覚とズレていることに思いが至らない。そののびのびした雰囲気はほほ笑ましく見える時もあるが、ひとつ間違えば世間知らずで無神経にも見える。大谷選手の過熱報道など、その最たるものではないだろうか。 先日も、「ご報告があります」と意味深なタイトルの動画でプチ炎上を起こしていた。杉原千尋アナと山本賢太アナが、ともに白いシャツを着て神妙に半同棲報道をおわび。と見せかけて、中盤で「実はマンションが同じだけ」とバラす、ジリ貧のYouTuberまがいの企画だった。心底どうでもいい話である。再生数は60万回を超えたものの、「勘違いするな」としらけた声も上がっていた。 自分たちは面白い、シャレが分かってる。そういう態度がにじみ出るフジアナたちの振る舞いは、世間から見ると幼稚で痛々しい。通行人の目を気にせずに、身内と大声ではしゃぐヤンチャなYouTuberに向けられるのと同じような視線を向けられていることに、いつ気付くのだろうか。
「優秀だからイジってやってる」視線ばかりの上垣アナ動画 いっそハラスメントの啓発動画として活用しては?
さらにTikTokでは上垣アナのデスクで焼きそばを作るという動画まで投稿され、悪印象をダメ押ししている。デスクに野菜をこぼされながらも実況や試食をこなす上垣アナはさすがの一言だが、有能さを示すための容姿イジリや無茶ぶりばかりというのは、ちょっと天下のフジテレビとしては芸がないのではないだろうか。 なおフジテレビのアナウンサーチャンネルでは、かわいい女子アナでも2~3万回の再生数なのに、上垣アナが出演する動画は66万回再生超えとなっている。フジらしからぬ変わり種かつ逸材たる上垣アナを、周囲も扱いかねているのかもしれない。 炎上を受けて、先の「めざまし」の動画のコメント欄は閉鎖された。おそらく反響の大きさに最も心を痛めているのは、上垣アナに違いない。笑いのさじ加減も分かっている人だから、われわれが思うほどに被害者意識に引きずられず、イジってもらえてありがたい、と謙虚に受け止めているような気がする。視聴者らがあまりに肩入れして騒ぎすぎて、上垣アナが社内で肩身が狭くなるようでは本末転倒だ。 とはいえフジも今回ばかりは、あの身内ノリがどれほどズレているか、どれほど反発を呼ぶのかはよく分かったはず。フジがやるべきはコメント欄を閉じてでもアナのYouTuber化を推進することではなく、YouTuberらがマネした、自分たちのかつての悪ノリを見直してみることではないだろうか。どうだろう、まずは今回の炎上動画をハラスメント啓発や炎上防止の教材にしてみては。もちろんナレーションは上垣アナで。下手な容姿イジリをするより、彼の能力の高さを引き出せると思う。
冨士海ネコ(ライター) デイリー新潮編集部
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