【Cycle*2024 ティレーノ~アドリアティコ:レビュー】ヨナス・ヴィンゲゴーが山岳で本領発揮 圧巻の個人総合優勝でタイトルリストに新たな勲章を追加
そのツールで最大のライバルとなるタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がミラノ~サンレモへ行き、続くボルタ・ア・カタルーニャにも多くの猛者が集うが、ヴィンゲゴーはフィジカルと野心をいったん落ち着かせるための時間をつくる。スイス・ルガーノの自宅へと戻り、少しばかりの休養の後にイツリア・バスクカントリーに向かう予定だ。 一方、ヴィンゲゴーの背中を見ながら走った選手たち。オープニングウィナーとなり3日間リーダージャージを着用したアユソは、「完全な力負け」と敗北を認める。第5ステージで大きく水をあけられた時点で個人総合2位狙いに切り替えたことを打ち明け、順位を上げてきたヒンドレーのマークに徹した。当座のライバルとの勝負には勝ち、無事に2位を確保。UAEチームエミレーツは、新鋭のイサーク・デルトロも初出場ながら個人総合4位と大健闘。チーム総合では1位になり、実のある1週間となった。
「人間の中では一番だったから良かったよ(笑)。ステージ優勝できたし、個人総合で2位と4位、チーム総合では1位。良い結果だったと思う。何より、誰も大きなトラブルなく走り切れたことがうれしいし自信になるね」(フアン・アユソ)
3位のヒンドレーは今季、プリモシュ・ログリッチのツール制覇へ重要な任務が与えられている。4月のイツリア・バスクカントリー以降はログリッチシフトの一員として動く予定で、今回は単独エースとして走る大事な機会でもあった。
「大満足の3位だよ。大好きなイタリアのレースで表彰台に上がれたのだからね。山岳ではできる限りのことをしたし、チームメートも素晴らしい働きだった。みんなにとって自信になる1週間になったよ」(ジャイ・ヒンドレー)
今大会は例年と違わず、スプリンター陣の競演も熱いものに。
第2ステージは、フィニッシュ前350mで最終コーナーという難レイアウト。集団前方が混沌となる中でヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が抜け出して今季初勝利。先に飛び出したティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)の動きに合わせ、みずからのタイミングで加速を決めた。
【関連記事】
- 【Cycle*2024 パリ~ニース:レビュー】マッテオ・ヨルゲンソンが最終日の逆転で個人総合優勝! 友人マクナルティとの競り合いをポジティブに、大物食いに成功
- 【Cycle*2024 ミラノ~トリノ:プレビュー】クラシックシーズンを占う「アンティパスト」 カヴェンディッシュやデマールら経験豊富なスプリンターに加えて留目夕陽も参戦!
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ ドンネ:レビュー】世界女王ロッテ・コペッキーがシエナ・カンポ広場に虹を架ける! マイヨ・アルカンシエルでの勝利に「一生に一度の喜びかもしれない!」
- 【Cycle*2024 ストラーデ・ビアンケ:レビュー】大会創設以来最長81kmの独走!2位以下に大会史上最大のタイム差2分44秒で勝利したのはタデイ・ポガチャル
- 【Cycle*2024 ティレーノ~アドリアティコ:プレビュー】グランツールやクラシックへと続く道 ツール王者ヨナス・ヴィンゲゴーも参戦の「2つの海をつなぐレース」