【Cycle*2024 ティレーノ~アドリアティコ:レビュー】ヨナス・ヴィンゲゴーが山岳で本領発揮 圧巻の個人総合優勝でタイトルリストに新たな勲章を追加
「チームメートの働きに応えるという意味では、最高の走りができたと思う。ひとりでフィニッシュラインを越えられて大満足だよ」(ヴィンゲゴー) こうなると、誰も王者を止めることはできない。今大会唯一の山頂フィニッシュとなった第6ステージも、ヴィンゲゴーの独壇場。強力な逃げが生まれ、ボーラ・ハンスグローエの牽引で集団がよりタフな状況となっても、ブルーのリーダージャージに着替えたヴィンゲゴーは慌てない。ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)やアユソの先制攻撃を抑えると、フィニッシュまで6kmを残して再び独走に持ち込んだ。
「ボーラ・ハンスグローエのペースアップは僕にとって不利なものではなかった。それまでにチームメートがレースを作ってくれていたし、ボーラがペーシングを引き継いでからはヒンドレーの動きをチェックしながらアタックのタイミングを探っていたんだ。最後の6kmは個人タイムトライアルの気分で上ったよ」(ヴィンゲゴー)
このステージまでに2位以下に1分以上の総合タイム差をつけ、大会制覇は決定的に。最終・第7ステージも危なげなく走り切り、初めてとなるティレーノ~アドリアティコのタイトルを手にした。
王者に言わせれば、今回の勝利は「ツールとはまったくの別物」だという。意味するところとしては、「ティレーノ制覇がツールの走りには直結しない」。“本番”までは3カ月以上あり、春の走りと結びつけるのは「さすがに無理がある」ということのよう。
それよりは、同時期開催のパリ~ニースと合わせてヴィスマ・リースアバイクがどこよりも強いと証明できたことの方が大きな価値があるとする。パリ~ニースでは、オフのトレーニングキャンプで同部屋だったマッテオ・ヨルゲンソンが最終日の逆転で個人総合優勝。「穏やかな人柄で、僕たちは一瞬で打ち解けた」というルームメートが移籍加入早々に結果を出してくれたことが、チームリーダーとしてはとてもうれしい。先々に控えるツールへの構築に向け、「モチベーションは高まる一方だよ」とチーム状況に自信を膨らませている。
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