中学3年からFWとしてプレーする宮廻空也「FWは面白い。チームを勝たせるFWに成長したい」
横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会で決勝切符を争う第1グループの実践学園(東京)は、追い上げも及ばず前橋育英(群馬)に1-2で敗れた。 【フォトギャラリー】前橋育英vs実践学園 【フォトギャラリー】前橋育英vs実践学園 立ち上がりからボールを支配され、押し込まれる流れが続き、なかなか自分たちのリズムに持ち込めない苦しい展開が続いた。 前半1分に左サイドで獲得したFKから、FW渡部詠が強烈なヘディングシュートを放ったが、惜しくも右に外れて先制ならず。9分には守備ラインの背後に抜け出したMF福田怜央が、技ありのループシュートを披露したものの、これまたわずかに右にそれてしまった。後半27分も岩崎蒼平がいい態勢から狙ったが、絶好の同点機を逃した。 この後に決勝点となる2点目を失い、無得点での敗色も濃くなっていたが、終盤から投入されたFW宮廻空也が33分にゴールを奪って一矢報いた。 岩崎の出色の縦パスから守備ラインの背後に進入。前に飛び出していたGKの位置を確認し、巧みなループシュートを決めた。 しかしガッツポーズもなければ、喜びの表情も一切見せなかった。「同点とか勝ち越しゴールなら別ですが、まだ負けている状況でしたからね。喜んでなんかいられませんでした」と気丈なところを示した。 小学校ではCBを務め中学で中盤に上がり、中学3年からFWとしてプレーする。「DFの裏を取ったり、くさびのパスから味方に展開するのが得意」と自分の武器を説明し、「FWは面白いですね。来年はスタメンになってゴールを決めてチームを勝たせるFWに成長したい」としっかりした目標を口にした。 実践学園は今年5月の関東高校大会Bグループ決勝で、強豪の日大藤沢(神奈川)を破って優勝。全体で3位に入る健闘だった。 旧チームは守備ラインから丁寧にボールをつなぎ、ゆったりとしたリズムからビルディングアップを開始した。主将の左SB峰尾燎太は「僕たちの代もボールをつなぐのはうまいので、3人目の動きだしや関わりをコンセプトに戦っています」と“先代”ともそん色ないチームだと胸を張る。 これからのチームづくりのポイントについては、「個性豊かな選手が多いので、上手に組み合わせたらいいチームができると思います。もっとたくさん練習して質を上げていきたい」と意気込みを示した。 (文・写真=河野正)