過去には「殺すぞ」と言われたことも…それでも保護司は「犯罪者だから危ないんだ」とは考えない 現役保護司が語る現実と不安 滋賀・大津の保護司男性殺害事件で更生支援受けていた男逮捕
「保護観察とか 全然保護しない」SNSに不満とも受け取れる投稿も
警察の取り調べに「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認しているという飯塚容疑者。 犯行動機については依然明らかになっていませんが、容疑者のものとみられるSNSにはその一端が伺える投稿が… 「保護観察とか~。全然保護しない」 「保護って言葉は要注意ワード」 「政府等の言う保護って言葉はクセ者という事」 「殺人の自由を取り戻したい」 「殺そうかなって妄想してる」 保護観察や制度そのものに不満があったとも受け取れる内容や、殺人への関心をほのめかす言葉も。警察はこのアカウントの存在を把握していて現在、事件との関連を調べています。
「『犯罪者だから危ないんだ』とは僕らは考えない」現役保護司の男性にインタビュー
保護司を殺害したとして保護観察中の男が逮捕された今回の事件。なぜ起きてしまったのか、そして保護司の安全対策は十分なのでしょうか。 (現役保護司の男性)「『犯罪者だから危ないんだ』という見方は僕ら保護司は考えていない。彼らを更生させるためにやっていることなので、極度に『危険だ』『注意しなければ』とかいう意識はない」 こう話すのは、今も罪を犯した人たちと向き合い、支援を続ける現役の保護司の男性です。 保護司は非常勤の国家公務員ではあるものの報酬はなく、実質的には民間のボランティア。出所した人の住む場所や働く場所の確保などその役割は様々です。 「(Q.保護司のやりがいは?)身元引受人との人間関係や親子間がうまくいってない部分に対して、改善もさせられるし、本人が就業意欲がなかったものがちゃんと働くようになりますし」 その中で面談は月に2~3回。保護観察所からは今回の新庄さんのように「自宅で行うよう」指示されているといいますが… 「(Q.保護観察所のほうから『自宅に招いてください』と言うのはどういう趣旨?)親身になっていつでも相談できるからだと思うんですけど、必ずしも私が知っている人たちの中でも、自宅に招いている人はそんなに多くはないですね。本人の自宅に行く場合が多い。罪の意識があって少しでも更生したいという気持ちがあるから、僕らが行っても受け入れてくれるんですよね。それをすることによって、身元引受人の方や、同居している方とかの話も聞ける」
過去にはトラブルも…「危険性のない場所での面談を」
ただ、これまでトラブルがなかったわけではなく、観察所を通じて「殺すぞ」と言われたことも… しかし、今回のように殺人事件にまで発展したことは例がなく今後、保護司として仕事を続ける上で安全意識を変える必要があると話します。 「現実問題として、ここまでいかなくても傷害に近いようなこともあるかもしれないし、窃盗されることもあるかもしれない。被害にあわないためには、ある程度の予防は各保護司はする必要があるんだろうなと。危険性のない場所で面談するように心がけてもらったほうがいい」