金メダルを生んだバリバリの筋肉美! 歴史を変え続ける57歳・荻島順子「世界で勝てる体」の答えとは
表彰台の頂点で手を胸に当て、涙を浮かべた荻島順子。彼女は12月17日から3日間にかけて開催された「IFBB世界フィットネス選手権」の女子フィジークマスターズ35歳以上級、一般163cm以下級において金メダルを獲得。一般オーバーオールも制して世界3冠を成し遂げた。 【フォト】バリバリの絞りで魅せた荻島の筋肉美
女子フィジークでの世界一は日本人女性初の快挙である。昨年は日本選手権で初優勝をはたしたのち、世界選手権で3位入賞。それを機に、ひたすら自分と向き合い一歩先を目指す日々とは意識が変わり、「世界で勝てる体をつくる」をテーマに今シーズンへと挑んだ。 「シーズン中は、体づくりに対して『これでいいのかな』と迷いや不安を感じることがありました。大きさを求めつつも、私の良さである絞りを極力気にしないといけないのが厳しくて、結構悩みました。ただ、ここまで来たらなかなか大きくはなれない。だったら自分がやるべきことはなんだろうって振り返った時に、やっぱり絞りだなと思いました。絞られてバランスの取れた体で挑めば、世界でも通用すると信じてここまで来ました」 自分を信じ、進み続けた結果が世界戦の舞台で現われた。バリバリに仕上がった筋肉美は大きな海外選手相手でも引けを取らず、見事に金メダルとオーバーオール優勝を引き寄せた。
「今まで女子フィジークを引っ張ってきた方々が積み上げてきた歴史があって、今の私があると思います。私がこうして世界で金メダルを獲れたことがきっかけで、他の選手のみなさんが『私も』っていう気持ちになってくれたらうれしいです。ステージを通じて女子フィジークの魅力を伝えたい思いもあったので、そういう意味でも力になれていたらいいですね。来年の目標は未定ですが、次はサイズアップも目指して、いろいろな方から理想と思ってもらえるような体をつくっていきたいです」 昨年の日本選手権では過去4度の優勝を誇る女王であり師匠・澤田めぐみを破って初優勝。そして今大会でも日本人初の栄冠を手にし、57歳にして歴史を変え続けている荻島。己を信じ、真っすぐに進む中で見せる彼女の活躍は、これからも見る者に希望を与え続けるだろう。
取材・文/森本雄大 写真/木村雄大