【阪神】左右のエースが“珍対決”「どっちが遅い球を投げられるか」時代に逆行した勝負を繰り広げて竜退治だ
阪神・村上頌樹投手(25)が13日、大竹耕太郎投手(28)に“珍対決”を挑んでいることを明かした。「どっちが遅い球を投げられるか(2人で)話しています」。今季は80キロ台のスローカーブで緩急の幅を広げているが、ライバルは同じスローボールの使い手。14日の中日戦(豊橋)に先発する右腕は、15日の同戦(バンテリンD)に先発する左腕との“超遅球リレー”を前に、挑戦状を送った。 4月30日の広島戦(マツダ)で“自己最遅”の80キロも計時。最速154キロとの緩急に手応え上々だが、もともとは「大竹さんが使っていて、自分も投げたいな」とヒントを得た。それでも、意見交換は「しないです」と対抗。現在の軍配は「大竹さん。70キロ台を出しますし」と悔しそうに認めた。 変化させないスローボールも操る大竹は一枚上。4月27日のヤクルト戦(甲子園)で79キロの“大台突破”も見せた。「緩急の『緩』の部分にも緩急を」とチェンジアップも120キロ台から100キロ未満まで変幻自在。直球のサインでスローボールを投げ、チェンジアップも自身の判断でアレンジ。しかも、テイクバックの途中で打者との間合いを感じ「なんとなく」決める。 “遅球の魔術師”に対し、村上も「面白いなと思って投げています」と負けていない。豊橋は両翼93メートル、中堅115メートル。昨年5月16日に石川に3ランを浴びた球場で「狭いという印象だけ」と一発に注意しつつ、遅い球の使用は「変わらない」と断言した。バットに当てやすい球を投げることに恐怖はない。150キロ台の直球、140キロ台の変化球も全盛の時代。逆行した勝負を繰り広げながら、竜を退治する。(安藤 理)
報知新聞社